テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)は29日、女子シングルス3回戦が行われ、
クルム伊達公子(日本)は第1シードで世界ランク1位の
S・ウィリアムズ(アメリカ)に2-6, 0-6のストレートで敗れ、1996年以来17年ぶりの4回戦進出とはならなかった。セリーナは昨年のウィンブルドンで優勝しており、今年は大会6度目の優勝と2連覇を狙う。
この試合、クルム伊達はセリーナに8本のサービスエースと28本のウィナーを決められた。さらに、自身のサービスゲームではセリーナの強烈なリターンに苦しみ、6度のブレークを許してしまい、クルム伊達は1時間1分で3回戦敗退となった。
試合後、クルム伊達は「私のサービスキープが難しいというのは大前提だった。リターンでリズムを作って崩せればと思っていたけど、相手(セリーナ)のサーブが良すぎた。」と、コメント。
「ファーストサーブを入れるだけでは、今のセリーナには難しい。少しでもコースが甘いとアタックされてしまった。他の選手達とは、格が違うところを見せつけられた。」
クルム伊達とセリーナの3回戦は、1番コートの第4試合に予定されていたが第3試合が長引いたため、センターコートで屋根が閉まった状態での試合となった。
「特に日没の時間などは考えていなかったけど、前もってセンターコートに移るかもという情報が入っていた。準備する時間は確保出来てたし、気持ちで動揺する事は全くなかった。」
2年前のウィンブルドンで初戦突破を果たしたクルム伊達は、2回戦でセリーナの姉である
V・ウィリアムズ(アメリカ)と対戦し、7-6 (10-8), 3-6, 6-8の大接戦の末に敗れていた。
「2年前のヴィーナス戦とは同じ環境だった。再チャレンジ後は1番コートで試合をやった事がなかったので、1番コートでやってみたいと思った。けど、センターコートでやりたくても出来ない選手がいるので、こういう運が回ってくるのは何かの縁だと思う。センターでナンバー1と出来たのは幸せな事で、いい環境の中で試合が出来た。」
現役復帰後、ウィンブルドンで初の3回戦進出を果たした42歳のクルム伊達は、1996年以来17年ぶりの2回戦突破と同時に、1968年のオープン化以降最年長となる3回戦進出を決めた。
「勝っていれば2週目にいる位置。10・20代の選手にとっても大きな事なのに、12年のブランクがある42歳の私が1・2回戦を勝ち抜けたのはチャレンジのやりがいがあった。自分にとって大きな思い出のある場所で、大好きな場所でここまで来れたのは、これ以上嬉しい事はない。」
今後については「これに満足する事なく、今のいい状態のテニスを持続させたい。もう少しシングルスでコートに立っていたかったというのはありますけど、時間とともに大きな思い出になっていくと思う。」
最後、テニスファンに向けて「チャレンジする事の真っただ中にいますけど、少しでもテニスの情熱とチャレンジする楽しさを、もっと皆さんと分かち合える時が長く続けばと思いますので、今後も応援していただければと思います。」と、クルム伊達。
クルム伊達のウィンブルドン自己最高記録は1996年のベスト4進出で、その時は準決勝で
S・グラフ(ドイツ)にフルセットで敗れている。
今年の全豪オープン1回戦で
N・ペトロワ(ロシア)をストレートで下したクルム伊達は、オープン化以降最年長勝利記録更新した。さらに2回戦では
S・ペア(イスラエル)を破り、全豪オープンシングルスで1995年以来18年ぶりとなる3回戦進出の活躍をみせた。
一方、セリーナは今年の全仏オープンで2002年以来11年ぶり2度目の優勝を飾ると同時に、グランドスラムでは通算16度目のタイトルを獲得している。
クルム伊達に勝利したセリーナは4回戦で、第14シードのS・ストザーに逆転で勝利した第23シードの
S・リシキ(ドイツ)と対戦する。
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