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今年、男子テニス界でR・フェデラー(スイス)は、ウィンブルドンで大会史上最多記録に並ぶ7度目の優勝、さらに自らの持つグランドスラム最多勝記録を17に更新。
またおよそ2年ぶりに世界ランク1位に返り咲き、P・サンプラス(アメリカ)の持つ世界ランク1位在位の286週の記録に並ぶと、その後は世界ランク1位在位最長記録を更新するも、その座をN・ジョコビッチ(セルビア)に明け渡すまで302週間の世界記録を樹立。
本日は、素晴らしい功績を残し続けているフェデラーの2012年について書いてみようと思います。
今年フェデラーは世界ランキングを3位でスタートさせた。1月に行われたカタール・オープンで順当に4強入りを果たすも、準決勝でJW・ツォンガ(フランス)と対戦する予定であったが、背中の怪我を理由に棄権を申し入れることとなる。フェデラーが怪我を理由に大会途中で姿を消すのは、この時でキャリア2度目だった。最初の棄権は、2008年のパリ・マスターズ準々決勝で、その時の理由も背中の怪我だった。
棄権についてフェデラーは「これ以上のリスクを犯すのは得策ではないと思った。まだ痛みもあり、棄権することが唯一できる判断だった。自分自身、大会、ファンの皆さんにとって残念で難しい決断だけど、健康が第一。」と、コメントしていた。
少し不安の残る中、全豪オープンへ出場し順当にベスト4進出を決める。準決勝でR・ナダル(スペイン)と対戦したフェデラーは、第1セットを先取し幸先の良いスタートを切る。しかし、フェデラーはウィナー級のボールを打っても、ナダルにそれを上回るパッシングショットを決められるなどでペースを乱され、決勝進出とはならなかった。
その後、国別対抗戦であるデビスカップのワールドグループ1回戦ではシングルスでJ・アイズナー(アメリカ)、S・ワウリンカ(スイス)とのダブルスではM・ブライアン(アメリカ)/M・フィッシュ(アメリカ)組にそれぞれ敗れてしまう。
この悪い流れの中、フェデラーはその後行われたABNアムロ 世界テニス・トーナメント、バークレイズ・ドバイ・デューティ・フリーテニス選手権、さらにマスターズ1000大会のBNPパリバ・オープン男子で出場3大会連続で優勝を果たす。
これで勢いに乗るかと思われたが、ソニー・エリクソン・オープン男子3回戦でA・ロディック(アメリカ)に6-7 (4-7), 6-1, 4-6のフルセットで敗れてしまう。
その後、モンテカルロ・マスターズを欠場し、ブルーのクレーコートで話題となったムチュア・マドリッド・オープンに出場する。この大会は優勝候補のジョコビッチ、ナダルなどが敗れる中、フェデラーは決勝へ進出する。決勝ではT・ベルディフ(チェコ共和国)のフラットショットに苦しむも3-6, 7-5, 7-5の逆転で勝利し、この年4度目のタイトルを獲得した。
以降は、BNLイタリア国際男子で王者ジョコビッチに敗れベスト4、そして全仏オープンへ。
全仏オープンでは4回戦でラッキールーザーから勝ち上がってきたD・ゴファン(ベルギー)に第1セットを先制されながらも5-7, 7-5, 6-2, 6-4での逆転でベスト8進出、さらに準々決勝ではJ・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)に2セットダウンの状況から3-6, 6-7 (4-7), 6-2, 6-0, 6-3の逆転で勝利。
だが、準決勝ではBNLイタリア国際男子でも敗れたジョコビッチに1セットも奪えないままフェデラーは敗れてしまう。
クレーコートシーズンが終わり、ウィンブルドンへ向けた芝コートシーズンに入ると、フェデラーはゲリー・ウェバー・オープンにこの大会で通算6勝目を狙って出場するも、決勝で元世界ランク2位でノーシードのT・ハース(ドイツ)にストレートで敗れ、準優勝に終わってしまう。この決勝戦は今年の番狂わせ試合5位に選出された試合でもある。
そして、フェデラーは7度目の優勝、さらに世界ランク1位奪還へ向け、2003年にグランドスラム初優勝を飾ったウィンブルドンへ向かうこととなる。
【続きは明日12月5日(水)】
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《「貴公子フェレーロ、やっと手にしたビッグタイトル◇第2弾 2012引退シリーズ その1」はこちら》
《「完璧主義者のフェレーロ、最後は涙のフィナーレ◇第2弾 2012引退シリーズ その2」はこちら》
《「ロディック、ギルバートと手を組み栄冠◇第1弾 2012引退シリーズ その1」はこちら》
《「ロディックに「フェデラー」という壁が立ちはだかる◇第1弾 2012引退シリーズ その2」はこちら》
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