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アメリカテニス界を牽引したロディック涙、「何から言おう」◇全米オープン

テニスのグランドスラム、全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は大会10日目の5日、男子シングルス4回戦残り3試合と準々決勝2試合が行われ、今大会を最後に引退を表明した第20シードのA・ロディック(アメリカ)が第7シードのJ・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)の前に7-6 (7-1), 6-7 (4-7), 2-6, 4-6の逆転で敗れ、テニス人生に幕を下ろした。

「何と言っていいのか分からないなんて、テニス人生で初めてさ。」と、試合後のコートでインタビューに答えたロディック。「何から言おう。子供の頃からこの大会には来ていた。今日の皆がいるように、自分も観客席に座って、多くのチャンピオンが去って行くのを見る事が出来た事を幸運に感じていた。どの瞬間も最高だった。」

「長い長い道のりだった。良い時もあればもちろん悪い時だってあった。同時に最高の瞬間もね。そんな中でも、ずっと支えてくれたファンからの応援にはいくら感謝しても足りない。時にはそれが簡単じゃない時だってあったはずだけど、本当に感謝しているし、そんなファンを心から愛している。またいつかこの場所に戻って来て、皆さんと再会したい。」と、最後までファンへの感謝の気持ちを伝えていたロディックは、涙ながらに語っていた。

前日にスタートしたこの試合、第1セットのタイブレークでロディックが1ポイント先取したところで雨のためこの日へと順延となっていた。

再開された試合では、そのタイブレークを優位に進めたロディックが第1セットを先取し会場を沸かせた。

第2セットもタイブレークへもつれる接戦となったが、そこでロディックは痛恨のダブルフォルトを犯しミニブレークを許すと、挽回するチャンスを与えなかったデル=ポトロがタイブレークを制し、第2セットを奪い返した。

第3セットでは出だしからデル=ポトロが4ゲームを奪うなど、試合の主導権を握った。反撃の糸口が掴めないロディックはこのセットを2-6で落としてしまい、セットカウント1-2と崖っぷちに立たされてしまう。

第4セット、後の無いロディックは必死にサービスキープを続けるもゲームカウント2-2、ロディックのサービスゲームで痛恨のブレークを許してしまう。

このセット、ロディックは2度のブレークチャンスを掴んだがデル=ポトロに切り抜けられる。ゲームカウント3-5、ロディックのサービスゲームでは1度マッチポイントをデル=ポトロに握られてしまう。それを凌いだ後のコートチェンジの時には、詰め掛けたファンからスタンディング・オベーションと共に“レッツゴー・アンディ”と声援が送られた。

しかし、続くデル=ポトロのサービング・フォー・ザ・マッチでは40-0とマッチポイントを迎え、ロディックのショットがアウトし、ゲームセット。

ネット際で両者は抱擁を交わすと、勝利したデル=ポトロは会場へ詰め掛けた観客に勝者の挨拶をする代わりに、ロディックへの拍手を求める仕草を見せ、ロディックへの敬意を表していた。

デル=ポトロは「彼にとってはもちろんだけど、自分に取っても非常に辛い瞬間。彼のテニス人生の最後のポイントだった。観客は二人を応援してくれていたから試合を楽しむ事が出来た。それでも簡単な試合ではなかった。自分のサービスゲームで試合を終わりにしなければと思ったら、ちょっと緊張してしまった。彼にミスも出て助けられたけど、それでもこの試合は厳しいものだった。」と、試合への辛い思いを語っていた。

試合後の会見でロディックは「母の車で練習に行った事とか、子供の頃を試合中に思い出したりした。今回は子供に戻って、公園で遊ぶみたいに純粋にテニスが出来たんだ。本当に楽しませてもらった。」

2003年の今大会を制して、若干21歳の若さで世界ランク1位へ上り詰めたロディック。また、2006年には準優勝、ウィンブルドンでは2004年・2005年・2009年と3度の準優勝を飾り、その全ての決勝戦の相手がR・フェデラー(スイス)だった。

常にアメリカ男子ナンバー1としてアメリカ男子テニスを引っ張って来た。この数年は度重なる怪我に泣かされ、ランキングも徐々に後退。大会期間中の30歳の誕生日に引退表明しファンを驚かせていた。

勝利したデル=ポトロは、2009年に今大会で優勝して以来となるベスト8進出を果たし、準々決勝では前年度チャンピオンで第2シードのN・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。両者は今年のロンドンオリンピック3決定戦で対戦し、その時はデル=ポトロが勝利し銅メダルを獲得していた。また、その後のW&Sマスターズではジョコビッチが勝利している。

この日行われた試合結果は以下の通り。

[4回戦]
N・ジョコビッチ (2) ○-× S・ワウリンカ(スイス) (18), 6-4, 6-1, 3-1, 途中棄権
J・M・デル=ポトロ (7) ○-× A・ロディック (20), 6-7 (1-7), 7-6 (7-4), 6-2, 6-4
J・ティプサレビッチ(セルビア) (8) ○-× P・コールシュライバー(ドイツ) (19), 6-3, 7-6 (7-5), 6-2

[準々決勝]
T・ベルディフ(チェコ共和国) (6) ○-× R・フェデラー (1), 7-6 (7-1), 6-4, 3-6, 6-3
A・マレー(英国) (3) ○-× M・チリッチ(クロアチア) (12), 3-6, 7-6 (7-4), 6-2, 6-0

(翻訳/弓削忠則)

(2012年9月6日16時02分)

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