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テニスのグランドスラム、全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は大会4日目の30日、元世界ランク1位で長年アメリカ男子テニスを牽引してきたA・ロディック(アメリカ)が、自身の30歳の誕生日に記者会見を開き、この全米オープンを最後に引退する事を明らかにした。
その記者会見に登場したロディックは「手短に、そして気持ち良く行きたい。」と会見の口火を切り「この大会で最後にすることを決断しました。」と、この全米オープンを最後の大会として引退することを表明した。
「ある程度の期間を持って決めた事。この1年を通して考えて来た事だし、自分の体の感触や、まだ戦えると自分自身が感じられるかと考えた時に、今後続けて行く事に十分だとは思わなかった。ツアーに残りたいと思う選手でいたいとは思わなかった。今は選手としてテニスを続ける事より、他に多くの物に興味がありワクワクさせられているんだ。」
ロディックはこれまでも『アンディ・ロディック基金』を立ち上げ慈善事業なども行っていた。来年は現在拠点を置いているテキサス州オースチンにテニスコートを備えた研修センターを建設する予定で、その事業へ重きを置いていた。
「その事業に従事したいと思っているし、時折見に行くのではなく、毎日その場所にいたいと思っている。その他にもいくつかのプロジェクトも考えているし、既にそれも開始している。そんな事をしているのが今は楽しくて仕方がないし、今後もそれを続けて行きたいと思っているんだ。」
20世紀終盤、テニス界はアメリカ人男子が世界のトップに君臨していた。J・コナーズ(アメリカ)やJ・マッケンロー(アメリカ)時代からP・サンプラス(アメリカ)、A・アガシ(アメリカ)、J・クーリア(アメリカ)など多くの世界チャンピオンがアメリカから生まれた。そして彼等の時代が終盤を迎えた頃に現れたのがロディックだった。
2002年、今大会の決勝戦はサンプラスとアガシの対戦だった。その時はサンプラスが最後の大会として出場し、最後の優勝を飾ってテニス界を去っていった。そして翌年の今大会で優勝を飾ったのがロディックだった。21歳になったばかりのロディックがグランドスラムで初優勝を飾り、その年の11月に初めて世界ランク1位へ上り詰め、アメリカ人男子として最年少でのランキング1位でシーズンを終えた。
今年6月のイーストボーン大会で優勝を飾った時に、オープン化以来19人目となる記念すべき600勝をマークし、今大会1回戦の勝利が610試合目の勝利となった。2000年にプロ転向して以来、これまでのキャリアで通算32大会で優勝を飾っていた。
2003年の全米オープン優勝の他に、グランドスラムではウィンブルドンで3回(2004年、2005年、2009年)、全米オープンで1回(2006年)、決勝の舞台に立っていたが、そのいずれもR・フェデラー(スイス)に敗れていた。特に2009年のウィンブルドン決勝戦は、ファイナルセットへともつれ、そのセットも14-16と歴史に残る死闘を演じた。最後、自身のサービスゲームを落とすまで、ロディックは実にサービスキープを37ゲーム続けていた。
一番誇りに思う事の問いに「これまでの13年、14年の間、毎日のように精一杯の努力を注ぎ続けて来た。その間も努力していた多くの選手を見たけど、1年間をそうしてしばらく休養を取ってまた戻って来るような選手ばかりだった。自分はこつこつと努力し続ける事が得意だった。そんな努力を貫き通した事から多くの勝利をものに出来たと感じているんだ。」と、全ては努力の賜物だった事を明かしたロディック。
現地金曜日に予定されているシングルス2回戦で、若干19歳のB・トミック(オーストラリア)と対戦する。
「ファンの皆さんにさよならを言う機会が欲しいと思っている。明日の試合がどう転がるかは誰も分からない。自分に勝利の女神が微笑んでくれる事を願うし、まだここで試合を続けられる事を望んでいる。」
トップ10落ちをしてから、徐々にランキングを下げていた時には、引退を噂されいたロディックだったが、怪我の治療でツアー離脱していたクレーシーズンを終えて、6月の芝で今季初優勝を飾った。その後、地元アメリカへ戻って出場したアトランタ大会でも今季2勝目を飾り、復調の兆しを見せてから、その噂は影を潜めていただけに、この日会見での引退表明はファンやメディアを驚かせた。
プロ人生13年で幕を閉じる事を決めたロディック。地元での最後の大舞台で悔いの残らないプレーを披露し、有終の美を飾って欲しいと切に願う。
(翻訳/弓削忠則)
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