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テニスのグランドスラムであるUSオープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は大会14日目の11日、センターコートで行われた女子シングルス決勝は、第9シードのS・ストザー(オーストラリア)が第28シードのS・ウィリアムズ(アメリカ)を6-2, 6-3のストレートで退け、自身初となるグランドスラム優勝を成し遂げて幕を下した。
2度目のグランドスラム決勝で悲願のタイトルを獲得したストザーは「まだ言葉がありません。この大会に勝ったことが、まだ信じられないのです。あのコートに立ち、今日のようなプレーが出来たことが、信じられない感覚です。そういうプレーをしたいと望んでいたことが、実際に出来たことが信じられません。」と、喜びを語った。
試合開始から強力なグラウンドストロークで試合をコントロールしたストザーは、オーストラリア人女性としては1980年のE・グーラゴン=コーリー(オーストラリア)以来となるメジャーチャンピオンとなった。
これまでのキャリアを通し、ツアー決勝では2勝7敗という戦績であったストザーが今大会を制したことで、今年のグランドスラム女子シングルスでは、全仏オープンのN・リー(中国)、ウィンブルドンのP・クヴィトバ(チェコ共和国)に続き3大会連続でグランドスラム初優勝となった。
「彼女は本当に良いプレーをしていました。彼女はあれほど良いプレーをしたことがないと思います。」とセリーナ。「もしかしたらあるかも知れませんが、私は彼女があれほどのプレーをしたのを見たことがありません。」
今大会がキャリア通算3勝目となった27歳のストザーは、試合を通して堅実かつ積極的なプレーを展開、20本のウィナーを決めつつも凡ミスは12本しか犯さなかった。対するセリーナは、25本もの凡ミスを犯していた。
ストザーにとってキャリア最大の勝利となったこの試合、第2セット開始早々に会場がブーイングで包まれる一幕があった。
第1セットを落とし、第2セット第1ゲームからブレークピンチに直面したセリーナは、フォアハンドを強打するとポイントを確信して「カモン!」と叫び声を上げてしまうが、その声がストザーの返球を妨害したとしてポイントがストザーのものになり、ストザーのサービスブレークとなっていた。
怒りが冷めやらぬセリーナは、チェンジオーバーの間にも主審に抗議を続けていた。2年前の準決勝では、ラインパーソンに暴言を吐き1万ドル以上の罰金を科せられていたセリーナは、その後さらに8万2500ドルという史上最高額の罰金を科せられていたが、これには2011年までの執行猶予が設定されていた。
試合後の会見でこの件について聞かれたセリーナは「何を言ったかすら覚えていません。とても感情的になっていました。ユーチューブで確認するかも知れません。」とコメントしている。
マッチポイントでストザーがリターンエースを決めたあと、ストザーを抱擁して祝福したセリーナであったが、主審との握手は拒否していた。
また試合後の表彰式でセリーナは「ウィナーを決めましたが、カウントされませんでした。結局それは関係ありませんでした。サムが本当に良いプレーをしていました。」と、この日の敗戦を受け入れていた。
その一方、グランドスラム13勝を誇るセリーナに対し、この日がキャリア2度目のメジャー決勝の舞台だったストザーは「間違いなく勝ち目が薄いと思っていました。」と試合前の心境を明かしている。
1987年に30歳で優勝したM・ナブラチロワ(アメリカ)以来、最年長で今大会を制したストザーは、そのキャリアの前半はダブルスのスペシャリストとして活躍しており、グランドスラムのシングルスでは2009年の全仏オープンでベスト4に進出するまで、3回戦が最高成績だった。
2008年4月にライム病による9ヶ月の休養からツアー復帰を果たして以来、ストザーは劇的にプレーを向上させており、2年前には149位だった世界ランキングもこの月曜日には7位まで上昇する見込みとなっている。
「必ずしもセカンドチャンスが手に入るとは限らないことに気付かされました。」とストザー。「全てのチャンスを生かしたかったですし、今ではそれを実現することが出来ました。」
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