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(イギリス、ウィンブルドン)
ウィンブルドン11日目、男子シングルス準決勝が行われ、R・フェデラー(スイス)が勝った第1試合に続き、第2試合ではR・ナダル(スペイン)とM・バグダティス(キプロス)の若手同士の対戦が行われた。
試合前はビッグサーバーでより芝向きのプレーをするバグダティスが若干有利と見る向きも多かった。しかしふたを開けてみると、ナダルが一度もブレークを許さない圧倒ぶりで 6-1, 7-5, 6-3のストレート勝ちを決めた。
「ウィンブルドンで決勝進出なんて、以前は絶対に無理だと思っていた。だからとてもハッピーだね。全仏オープンのわずか2週間後にここまで来るのはとても大変だったけど。」と、ナダルは嬉しさを隠せない。
準々決勝では今大会2002年チャンピオンの第6シードL・ヒューイット(オーストラリア)を倒すなど、勢いに乗っていたバグダティスだが、一方で試合を重ねるごとに芝でのプレーが向上してきたナダルには、力一歩及ばずだった。
第1セット第1ゲームをいきなりブレークされると、バグダティスはプレッシャーからプレーが乱れた。1-4とリードされた頃からようやくリズムを取り戻したが、相手を凌駕するまでには至らず、そのままセットを落とした。
第2セットではバグダティスの猛攻に合い、プレッシャーからナダルもサーブが決まらない場面もあったが、なんとか切り抜け、最後は素晴らしいフォアハンドでセットを奪った。
第3セットは4-2とナダルがリードしていた第7ゲームで、バグダティスが渾身のプレーでブレークチャンスを得て、そこでウィナーが決まったように見えた。しかし際どいところでジャッジはアウトとなり、結局そのゲームはブレークできなかった。せっかくのチャンスをふいにしてしまったバグダティスは、それでも余す力を振り絞って抗戦したが、あたかもゾーンに入ったようなナダルのプレーの前に屈せざるを得なかった。
敗れたバグダティスは、「いいプレーができけど、勝つ術を見つけることができなかった。第2セットではナダルのサーブをブレークするチャンスが何度かあったのに、ものにできなかった。チャンスを生かすことができなかったのが一番不満かな。」と語った。
「でもいい経験だった。もっともよかったのは、ナダルやフェデラーといったトップ選手たちに近づいていると実感できたことかな。これはとても重要なことだと思う。」と、バグダティスはこの敗退を前向きにとらえていた。
「赤土の王者」として名を馳せるナダルだが、課題とされていた芝についても今大会では目を見張るほどの改善が見られる。グランドストロークはよりフラットに、そしてベースラインにもより近く立って戦っている。
決勝の相手は「芝の王者」R・フェデラー。
ナダルは、ここ最近フェデラーと対戦した5試合をすべて制している。そのうち4回は今年に入ってから行われた決勝の舞台で、全仏オープン決勝でも見事勝利している。生涯対戦成績も6勝1敗大きくリードしている。
しかしナダルは、まだ芝のコートでのフェデラーとの対戦がなく、今回の決勝については、自らが劣勢であることを認めている。
「今年に入ってからフェデラーを何度か倒しているけど、今回は彼の得意なコートだからね。自分のキャリアの中でも最高の試合をしたいと思う。」と意気込んでいる。
もしウィンブルドンを制覇することになると、1980年のB・ボルグ(スウェーデン)以来初めて全仏オープン&ウィンブルドン連覇を達成する。
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