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大会3連覇まで後1勝に迫った王者フェデラー |
画像提供:Getty/AFLO |
(中国、上海)
マスターズカップ(賞金総額445万USドル、インドア)は土曜日準決勝が行われ、世界ランク1位で現在大会2連覇中のR・フェデラー(スイス)がG・ガウディオ(アルゼンチン)に6-0, 6-0で完勝した。試合時間はわずか49分だった。
フェデラーは右足首の怪我のため、大会前に6週間の休養を余儀なくされていた。その右足首には依然として黒のサポーターが巻かれているが、予選で厳しい試合を3試合くぐり抜けたためか、今日の試合では、以前の調子を完全に取り戻しているように見えた。
フェデラーは全仏オープンの準決勝でR・ナダル(スペイン)に敗れて以来、現在35連勝中で、今季の対戦成績は81勝3敗。J・マッケンロー(アメリカ)が1984年に達成した年間勝率記録である9割6分5厘(82勝3敗)にあと1勝と近づいた。日曜日に行われる決勝で、対戦相手のD・ナルバンディアン(アルゼンチン)を下せば記録タイとなるが、速いコートの苦手なガウディオに比べ、決勝はタフな試合になるのは間違いない。
試合ではフェデラーは22本のストロークエースと6回のブレーク、そして5本のサービスエースを決め、大会35年の歴史上初の完勝試合となった。ガウディオのストロークエースはわずか3本、サービスエースは0だった。
試合後フェデラーは「安定して堅実なプレーを心がけたんだ。予選の3試合ではすべて第2セットを落としていたからね。」と語った。「今日は完璧な試合内容だった。明日の決勝に向けてかなりの自信になったことは確かだね。」
一方敗れた2004年の全仏オープン覇者ガウディオは「言い訳はしないよ。自分の苦手とするサーフェスで史上最強の選手と対戦しただけのこと。他に言うことはないね。」と肩を落とした。
準決勝のもう1試合では、D・ナルバンディアンがN・ダビデンコ(ロシア)に6-0, 7-5で勝ち、見事決勝に駒を進めた。
ナルバンディアンは試合後、「勝ててとても幸せな気持ちだよ。」と話した。「当初は今大会の出場枠から外れていたのだから、明日の決勝でプレーできるなんて夢のようさ。でも上海に来て再びこんなにいいプレーができているのは本当にうれしい。だからコートでプレーするのが楽しいし、明日の決勝も勝つことだけを考えるようにするよ。」
ナルバンディアンは予選でフェデラーと対戦し、惜しくもフルセットで敗れている。しかし残りの予選2試合では、G・コリア(アルゼンチン)とI・リュビチッチ(クロアチア)をストレートセットで下している。
対戦相手のフェデラーは、2003年の7月13日にクシュタートの大会でJ・ノヴァーク(チェコ共和国)に敗れて以来、決勝に24回勝ち上がり、1度も負けていない。また今大会は現在2連覇中で、大会史上初の3連覇を目指す。またツアーで大会3連覇は、I・レンドル(アメリカ)が85年から87年にかけて達成して以来となる。
ナルバンディアンはこれまでフェデラーと9回対戦し、最初5連勝した後、4連敗している。
(2005年11月20日)