テニスの全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)は20日、男子シングルス3回戦が行われ、第3シードの
D・メドベージェフが第27シードの
F・オジェ アリアシム(カナダ)を6-3, 6-4, 6-3のストレートで破り、2022年以来2年ぶり5度目のベスト16進出を果たした。試合後の会見では、第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)について、過去のエピソードとともに自身の成長を語った。
>>ジョコビッチvsマナリノ 1ポイント速報<<>>ジョコビッチ、アルカラスら全豪オープン組合せ<<2021年と2022年は準優勝という成績を残している世界ランク3位のメドベージェフ。今大会は1回戦で予選を勝ち上がった同144位のT・アトマネ(フランス)が第4セット途中に棄権したため初戦突破。2回戦では同53位の
E・ルースブオリ(フィンランド)との死闘を制し3回戦進出を決めた。
世界ランク30位のオジェ アリアシムと顔を合わせたこの日、メドベージェフは8本のサービスエースを決めるなどファーストサービスが入ったときに78パーセントの確率でポイントを獲得。ストローク戦ではウィナー23本、アンフォースドエラーは25本に抑え、それぞれ19本、43本のオジェ アリアシムを上回って5度のブレークに成功して2時間9分で快勝した。
試合後の会見では、記者からるジョコビッチについて質問が。メドベージェフは当時世界ランク400位前後でのときと世界ランク1位も経験したあとの現在も、ジョコビッチから自身への扱いが変わらないエピソードを語った。
メドベージェフとジョコビッチは2017年の国別対抗戦デビスカップで対決。当時はジョコビッチに敗れたそのときの経験を話した。
「僕自身はあのときからずいぶん成長したよ。当時、コートに立っているときは真剣にテニスに取り組んでいたけれど、100パーセントではなく、90パーセントくらいだったかな。僕はすでに100位以内に入っていたんだ。僕はノヴァーク(ジョコビッチ)を苦しめることができた。でも、コートの外では完全に窮屈だったね。試合後3時間は動けなかった。負けたしね(笑)。でも、あのときすでに彼をコート上で苦しめることができたのだからオッケーだ」
「あと、当時は食事に集中していなかったから、足がつることもあった。試合前は基本的にファストフードを食べることができたんだよ。あのときはそんなことは重要じゃないし、どうでもいいと思っていたんだ。大事なのはフォアハンドとバックハンドだってね」
「それから一歩ずつ、オフコートでの生活がいかに重要かを理解していった。睡眠、食事、治療、どんなことでも、すべての小さな、小さなディテールが大事なんだ。僕はそうやって生活している。僕の周りの多くの人たちは、君たちテニス選手はそれが正しいと思う、と言うかもしれない。でも、僕自身がそれをやると決めるまでは、うまくいかないんだ。たぶん、多くの人がそうなんじゃないかな」
そしてメドベージェフは、世界ランクによって扱いが変わることのないジョコビッチのエピソードを語った。
「信じられない話をしようか。いつだか、ノヴァークと練習したんだ。とても面白かったよ。彼はあと2、3日でデビスカップを戦うんだ、みたいな感じだった。僕は『そうなんだ。もう行くんですか?』と聞いて『ああ、行くよ』と答えてくれた。それが最初の会話だった。彼は『いつ行くの?』と聞いて、僕は『土曜日』って言ったんだ。そしたら『一緒に行く?』って言われた」
「正直言って、僕はシャイなんだ。最初は『いやいや、連盟がもうチケットを取ってくれたんだ』と言った。1駅、だいたい3時間の距離だったしね。その場にいた僕は、本当はイエスと言うべきだったのかもしれない。練習が終わって1時間後に『本当に一緒に行ってもいいかい?』彼はそう言ったんだ」
「僕はやっと『オーケー、行くよ』と言えた。彼に初めて会ったとき世界ランキング400位だったんだ。今は世界3位。世界1位だったときもある。彼は僕を以前と同じように扱っているような気がする」
「今は彼にとって、僕は以前よりもライバルになった。でも、コートの外で会ったときの接し方は変わらない。彼のこういうところが好きなんだ」
4回戦で世界ランク69位の
N・ボルジェス(ポルトガル)と対戦する。ボルジェスは3回戦で第13シードの
G・ディミトロフ(ブルガリア)を6-7 (3-7), 6-4, 6-2, 7-6 (8-6)の逆転で下しての勝ち上がり。
同日には第2シードの
C・アルカラス(スペイン)、第19シードの
C・ノリー(イギリス)、世界ランク60位の
M・キツマノビッチ(セルビア)らが16強に駒を進めた。
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