女子テニスツアーのユニセフ・オープン女子（オランダ/スヘルトヘンボシュ、賞金総額２２万ドル、芝）は１３日、シングルス１回戦９試合が行われ、クルム伊達公子（日本）が第６シードのＭ・キリレンコ（ロシア）を7-6 (7-5), 6-2で、また怪我から復帰を果たした第１シードのＫ・クレイステルス（ベルギー）もＭ・ニクルスク（ルーマニア）を7-5, 7-5と、ストレートで下し２回戦進出を決めた。
クルム伊達は第１セット第１ゲームでいきなりキリレンコからブレークを奪う好スタートを切ったが、第４ゲームでブレークバックを許し２－２に戻される。その後は両者サービスキープで譲らない展開からの第１１ゲームで再びブレークを奪い６－５とリードしたクルム伊達は、続く第１２ゲームでサービング・フォー・セットを迎えるもあっさりブレークバックされてしまいそのセットはタイブレークへ。
タイブレークでも１－４とキリレンコにリードを奪われたが、経験に勝るクルム伊達はそこから５ポイントを連取しセットポイントを迎える。キリレンコも１本をしのぐも、２本目のセットポイントではクルム伊達が放ったショットがネットにあたりキリレンコのコートへ。幸運も見方に付け、そのセットを先取に成功する。
続く第２セット、第３ゲームでブレークを許してリードされたクルム伊達だったが、第４ゲームですかさずブレークバック。その後第６ゲームでもブレークを奪い自身のサーブをキープして５－２とりリードしたクルム伊達。最後はこのセット５本目のダブルフォルトをキリレンコが犯し１時間４３分でゲームセット。クルム伊達は３月のマイアミ大会以来となる本戦での勝利を飾った。
世界ランク２位のクレイステルスは、第１セットで４－２とリードするも、ニクルスクが３ゲームを連取してサービング・フォー・セットを迎える。しかしそのゲームをブレークに成功し５－５に並んだクレイステルスは、続く自身のサーブをキープし、第１２ゲームで再びニクルスクからブレークを奪い、第１セットを奪った。
第２セットも両者１度ずつのブレークと譲らない展開となり、クレイステルスが５－４とリードしたニクルスクのサーブで３度のマッチポイントを握るも取り切れず、６－５で掴んだ５度目のマッチポイントを決めたクレイステルスは１時間３９分で初戦突破を決めた。
怪我から復帰して臨んだ全仏オープンでは、まさかの２回戦敗退だったクレイステルスだったが、この日の試合には満足気だった。「彼女（ニクルスク）はとてもトリッキーな選手。スライスやサーブ＆ボレーを混ぜて来たので、予測が難しかった。特に芝ではやりずらい選手で、集中力が必要で今日はそれが出来たと思う。アグレッシブなショットを必要な時には打てたしサーブも効果的だったから、試合を楽しめました。」
２回戦でクルム伊達はＬ・ドミンゲス=リノ（スペイン）と、クレイステルスはＡ・アマンムラドワ（ウズベキスタン）との予選勝者対決を6-4, 6-3で制したＲ・オプランディ（イタリア）と対戦する。
第２シードのＳ・クズネツォワ（ロシア）も予選を勝ち上がったＡ・ルス（オランダ）を6-2, 6-4のストレートで下した。２００４年のＵＳオープンと２００９年の全仏を制したクズネツォワだが、ウィンブルドンではベスト８が最高成績で芝を得意とはしていない。それでもこの日は伸び盛りのルスを１時間２７分のストレートで下し、ウィンブルドンへの向けて順調な仕上がりを見せた。
「勝つことが不可能ではないと思うけど、優勝候補じゃないでしょう。だって準々決勝の壁を越えたことはないし、良い選手がたくさんいるから。」と、来週に控えたウィンブルドンへの抱負を聞かれて答えたクズネツォワは、２回戦でＳ・エラーニ（イタリア）と主催者推薦のＫ・バテンスの勝者と対戦する。
その他の試合結果は以下の通り。
Ｙ・ウィックマイヤー（ベルギー） (3) ○-× Ａ・ブリアンティ（イタリア）, 6-4, 6-0
Ｆ・ペネッタ（イタリア） (4) ○-× Ａ・ボンダレンコ（ウクライナ）, 6-4, 6-4
Ａ・ドゥルゲル（ルーマニア） ○-× Ａ・ヴァン=ウィバンク, 7-5, 7-6 (9-7)
Ａ・パーラ=サントンハ（スペイン） ○-× Ｌ・ロブソン（英国）, 7-5, 6-3
Ｋ・バロア（ドイツ） ○-× Ｂ・ザーロバ・ストリツォバ（チェコ共和国）, 6-3, 6-2
またシングルス１回戦後に行われたダブルス１回戦にはブリアンティと組んだクルム伊達が登場したが、主催者推薦のＫ・フリッペンス（ベルギー）/Ｃ・バンデウェイ（アメリカ）組に２度のマッチポイントを握りながらも6-3, 6-7 (6-8), [8-10]の接戦で敗れた。
今大会の優勝賞金は３万７０００ドル。
（2011年6月14日8時10分）
坂詰姫野と秋田史帆 4強入り 
