男子テニスの国別対抗戦デビスカップ準決勝 イギリス対アルゼンチン(スコットランド/グラスゴー、インドア・ハード)は16日に初日を迎え、シングルス第1試合では
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)が
A・マレー(英国)を6-4, 5-7, 6-7 (5-7), 6-3, 6-4の接戦で下してリオデジャネイロ・オリンピック決勝戦のリベンジを果たし、アルゼンチンに1勝をもたらした。
昨年チャンピオンのイギリスは、2連覇を目指し準決勝のアルゼンチン戦へ臨んだ。
しかし、続く第2シングルスでも
G・ペラ(アルゼンチン)が
K・エドモンド(英国)を6-7 (5-7), 6-4, 6-3, 6-2の逆転で下してアルゼンチンが2勝目を飾り、2011年以来となる決勝進出へ王手をかけた。
イギリスチームのエースであるマレーは、この日の試合までデビスカップで出場した試合で14連勝を記録していたが、デル=ポトロとの5時間7分の試合の末、その連勝に終止符が打たれた。この試合は両者にとって、テニス人生における最長試合となった。
2日目の17日にはダブルスの試合が予定されており、マレーは実の兄である
J・マレー(英国)と組んで
F・デルボニス(アルゼンチン)/
L・マイェール(アルゼンチン)組と対戦する。もしマレー兄弟が敗退すると、最終日を待たずにイギリスの敗戦が確定する。
この夏、マレーは多くの試合をこなしていた。ウィンブルドンとリオデジャネイロ・オリンピックでは共に2度目の優勝を果たし、その他出場した大会全てで好成績を残した。
この日の試合では、勝敗を決めるファイナルセットで疲労の色が隠せず、フットワークに陰りが見えたマレーは、以前の威力を取り戻したデル=ポトロのフォアハンドからの攻撃に耐えられなくなっていた。
「今日の戦いには誇りに思っている」とマレー。
「最高のプレーをした。どのポイントにも全力を尽くして戦った。あれが今日出来た最大限のことだった」と全ての力を出し切って戦ったことをアピール。
そして「ほんの少しの違いだった。勝利はどちらに転がってもおかしくない試合だった」と大接戦だった試合を振り返った。
マレーはこれまで、地元で行われたデビスカップのシングルスで負けたことがなかった。
デル=ポトロは、ファイナルセットの第7ゲームで鮮やかなフォアハンドのダウン・ザ・ラインを決めて貴重なブレークを奪い、ゲームカウント4-3とリードすると雄叫びをあげた。
2009年の全米オープン・チャンピオンであるデル=ポトロは、プロテニス人生の引退も考えたほど3度の手首の手術から復帰しており、再びテニス界のトップ勢力の一員となり始めている。
アルゼンチンのエースと見なしてもおかしくないデル=ポトロ。しかし、手術からの復帰途中にいるため、現在は世界ランクを64位へ落としており、シングルス2番手としてこの対戦へ臨んでいるため、初日にマレーと戦うことになっていた。
デル=ポトロは「こんな瞬間が自分のテニス人生で訪れるなど、想像が出来ない。怪我でじっと家にいた時に、こんな試合をまたしたいと思っていた」と感極まりながら語っていた。
アルゼンチンはデビスカップでこの15年間で11回目の準決勝を戦っているが、未だに優勝がない。これまで1981・2006・2008・2011年に準優勝を飾っている。
(STATS - AP)
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