9月16日から18日にかけてスコットランドのグラスゴーで行われる男子国別対抗戦デビスカップ準決勝の対アルゼンチン戦で、
A・マレー(英国)をエースとして起用するイギリスが1928年以来となるアルゼンチンからの勝利と決勝進出を狙う。
この1カ月間、マレーは試合が続いていた。リオデジャネイロ・オリンピックで金メダルを獲得、シンシナティでのマスターズ大会で準優勝、そして全米オープンではベスト8進出を果たしていた。
しかし、イギリス・チームを率いるL・スミス監督は、シングルスとダブルスに出場するだけのエネルギーがマレーには残されていると語る。昨年のオーストラリアとの準決勝でも、マレーはシングルスで2勝、ダブルスでもフルセットで勝利するなど、その体力の凄さを証明していた。
「彼(マレー)が疲れているのは疑いもない。この夏に多くの試合をこなしていた。昨年のオーストラリア戦を振り返ると、その時も明らかに疲労困憊だったが、それでもコートに立ち全力を尽くしてくれた。そんな彼の姿勢は変わってはいないと思っている」とスミス監督は期待の大きさを話した。
初日の16日に行われるシングルスで、マレーはリオデジャネイロ・オリンピックの決勝戦で対戦した
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)と再び戦う可能性がある。
デル=ポトロも、度重なる手首の手術からの復帰途中で、7月に行われたイタリアでのデビスカップ準々決勝でもダブルスのみ出場し、イタリアからの勝利に貢献。デル=ポトロにとってその試合は、4年ぶりとなるデビスカップ出場だった。
その後に出場したオリンピックでは、1回戦で世界ランク1位の
N・ジョコビッチ(セルビア)を下し、その後も勝利をおさめて決勝進出。全米オープンでもベスト8入りを果たした。この結果を見ても、デル=ポトロは試合感を取り戻している。
現在デル=ポトロは、アルゼンチン・チームの中では最も低いランキングの選手であり、アルゼンチンのD・オルサニック監督は15日に行われるドロー抽選会までどのような布陣で戦うかは明かそうとはしていない。
シングルスに出場するもう1人の選手は
F・デルボニス(アルゼンチン)だと予想される。デルボニスはイタリア戦でもシングルスで2勝しており、また3月にアメリカのインディアンウェルズでのマスターズ大会ではマレーから勝利も飾った。
アルゼンチンはこの15年間で11回目の準決勝進出だが、今年の準決勝では前年度チャンピオンのイギリスと対戦する。イギリスはマレー始め、全米オープン男子ダブルスを制したマレーの実の兄である
J・マレー(英国)らの最強の布陣で臨み、加えて地元での試合のため、その声援が大きな力となると見られている。
順当にイギリスが勝利すると11月に行われる決勝戦では、クロアチアとフランスの勝者と対戦する。
クロアチア対フランスの準決勝は、
G・モンフィス(フランス)が膝の怪我のために欠場を表明したことで、クロアチアに勝機が増したと言われている。
先週まで行われていた全米オープンでモンフィスは、ベスト4進出を果たしていた。
フランス・チームはすでに
JW・ツォンガ(フランス)も怪我で欠場が決まっているため、伸び盛りの
L・プイユ(フランス)とベテランの
R・ガスケ(フランス)がチームを牽引する。
7月にアメリカで行われたデビスカップ準々決勝でクロアチアは、初日に2敗して崖っぷちに立たされたが、その後は
M・チリッチ(クロアチア)とB・コリッチの活躍で逆転でアメリカを下していた。
チリッチはその後、シンシナティで優勝する活躍を見せたが、チョリッチは全米オープン1回戦を膝の腱の炎症のために途中棄権。それから約3週間となる準決勝では、チョリッチの回復が鍵となる。
(STATS - AP)
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