テニスの全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)は大会最終日の5日、男子シングルス決勝戦が行われ、第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)が第2シードの
A・マレー(英国)を3-6, 6-1, 6-2, 6-4で下し、悲願の生涯グランドスラムを達成した。
>>全仏オープン 対戦表<<勝利を決めた直後にジョコビッチは、ラケットでコートにハートを描くとその真ん中に大の字に倒れこんで喜びを表した。それは今大会3度の優勝を飾った元世界ランク1位の
G・クエルテン(ブラジル)が2001年に優勝した時に行い、有名になった行為だった。
クエルテンは「彼(ジョコビッチ)は毎年確実に向上している。それはとても恐ろしいこと。でも、あのハートは自分が描いたものの方がちょっと上手かった。今度はそれを向上させるように彼に伝えよう。」と冗談を交えてジョコビッチについて語っていた。
既に引退しているクエルテンは、全仏オープンでは1997年・2000年・2001年に優勝していた。
マレーは、決勝の舞台での敗戦は「本当に最悪のこと」と語りながらも、1969年の
R・レーバー(オーストラリア)以来となるグランドスラム4大会連続優勝という偉業を成し遂げた瞬間を共有できたことには誇りに思うとも加えていた。
「男子テニス界では、本当に希なこと。また同じことが起こるにはかなりの時間がかかるだろう。」と、その凄さも伝えていた。
グーガの愛称で知られるクエルテンが観客席で見ている前で、ハートを描き大の字に倒れこんだジョコビッチは「最も大切なことは、グーガのようにハートをコートに描けたこと。彼からそれをして良いと許可をもらっていた。大切なのはここに愛情を感じたこと。ハートを描いたのは、このコートに毎日自分の心が残っているという意味を伝えたかった。」と想いを語っていた。
そして、クエルテンはその光景を観客席から笑顔で見ながら、ジョコビッチの勝利を祝福していた。
ジョコビッチはボールキッズを集めると、全員で両手を空へ突き上げ喜びを表した。それは今大会でジョコビッチが勝利の後に毎回行う習慣になった行動だった。
「本当に特別な瞬間だった。」とジョコビッチ。「恐らくテニス人生で最も最高だと感じた瞬間だったかも知れない。恐らくね。ありがとう。今日の我々のテニスを見て皆さんに楽しんでもらえたと願っている。」
敗れたマレーは、目を赤くし、放心状態でコートサイドのチェアに座り込んでいた。
これまで、全仏オープンの決勝戦で3度の敗戦を味わってきたジョコビッチは、グランドスラム4大会連続優勝を飾った3人目の選手となった。これまではD・バッジとレーバーが成し遂げており、レーバーは1962年と1969年の2度年間グランドスラムを達成していた。
ジョコビッチはそれ以来の快挙達成と同時に、生涯グランドスラムを達成した8人目の選手となり、自身12度目のグランドスラム優勝を飾った。
マレーは1935年のF・ペリー以来となるイギリス人チャンピオンを目指したが、その夢は叶わなかった。
(STATS - AP)
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