全日本選手権で7度の優勝(最多記録)を誇り、ブリヂストンスポーツ所属プロとして多方面で活躍されている福井烈氏がブリヂストンスポーツ本社にてtennis365.netの独占インタビューに応じた。
第3回目のインタビューではジュニア育成について話を聞いた。
【福井烈 独占インタビュー】
-Q.各メーカーやテニススクールがプレイ&ステイを推奨しているが、メリットは?
ITF(国際テニス連盟)が推奨しているので日本テニス協会も推奨しています。スポンジボールと軽いラケットを使うことでラリーが出来る、年齢にあったテニスで段階を踏むことで普及しやすいと思います。小さい子供が通常のコートやボールではテニスがしづらいです。とても良い仕組みだと思います。まずはテニスを楽しいと思ってもらうことです。
-Q.現在の高校テニス、大学テニスについてどうお考えですか?
日本の教育制度を考えると海外と比較するのはできないと思います。
勉強も部活動も両方とも大切な時期です。今、高校はほとんどの子供達が進学するところで、この期間にスポーツや何かに3年間集中するという経験は将来のことを考えても非常に大切なことだと思います。高校の3年間はとてもとても大切な時期でもあると思うし、そこでスポーツをするという意義はものすごく大きいと思います。
ここでテニスをしてくれるとありがたいのですが、それ以外のスポーツでもこの3年間燃えるということはとても有意義なことだと思います。
大学についてはだいぶ専門的になってきますし、やりたいことがあると思うのですが、多くの人が大学に進学するのでここでスポーツをすると、社会人になった時にスポーツへの理解度が高まると思うので、高校や大学でスポーツが盛んになるとスポーツに携わる人間にとって大きいことだと思います。
-Q.海外とのレベルの差については?
将来的にプロになりたい人とそうでない人がいます。世界を目指す人には高校よりも早く世界がどんなものか体験する事、ずっと海外にいるでもいいし、少しの間だけでもいいし、その人のレベルにあった環境を提供することが指導者として大事で、全員が世界を見る必要は無いけど、世界を見る事も大事だと思います。
-Q.錦織効果でジュニアが急増しているが、これを一過性で終わらせないためには?
よく聞かれますが、今は選手以上に指導者が頑張らなければいけない時です。どんどんジュニアが増えて何らかの形でテニスに触れてくれます。その時にテニスを楽しく思うか思わないかで180度変わってしまいます。今こそテニスの楽しさを伝えられる指導者が必要とされています。
強くならなくても楽しいんです。これが伝わればテニスはあっという間に日本でメジャースポーツになると思います。だから選手の活躍を無にしてはいけない。僕ら指導者はもっと頑張らなければならない。指導者の質が問われている時、テニス界最大のチャンスです。
※インタビューの続きは12月12日に配信する。
《福井烈独占インタビュー①》《福井烈独占インタビュー②》福井烈・・・小学生の時にテニスを始め、インターハイ3連覇、アメリカ留学の後に中央大学に進み多くのタイトルを総なめにする。当時史上最年少の20歳で全日本選手権シングルス優勝し、その後3連覇を達成、史上最多7度の優勝を誇った。小柄な体格ながらも正確無比なストロークを武器に活躍した日本を代表するテニス選手。
92年から96年までデビスカップの監督も努め、現在はテニスの解説や日本テニス協会常務理事、JOC(日本オリンピック委員会)理事 選手強化本部 副本部長を務めている。
(取材協力:ブリヂストンスポーツ㈱)
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