全日本選手権で7度の優勝(最多記録)を誇り、ブリヂストンスポーツ所属プロとして多方面で活躍されている福井烈氏がブリヂストンスポーツ本社にてtennnis365.netの独占インタビューに応じた。
第2回目のインタビューでは自身の活動と契約30年を迎えるブリヂストンスポーツについて話を聞いた。
【福井烈 独占インタビュー】
-Q.現在はどのような活動をしていますか?
ブリヂストンのプロスタッフ、日本テニス協会の常務理事としての活動と、メインは日本のオリンピック委員会(JOC)の理事をしています。JOCの強化担当としてテニス以外にも球技全般に携わっています。オリンピックやアジア大会に本部役員として帯同し、事前調査などもしています。先日のアジア大会にも本部役員として同行しました。
-Q.今年契約30年のブリヂストンとの契約に至った経緯は?
当時はカワサキラケットを使っていて、プロになるに当たり契約させていただきました。憧れの先輩方がいた憧れのブランドでした。しかし事情によってテニス事業が上手くいかなくなり、その時タイミングも良くブリヂストンからお話をいただきました。
これまでブリヂストンはゴルフが中心だったのが、1985年にスポルディングとのライセンス契約からテニス事業に参入するという事で、当時はテニスブームで他社にも誘われていたのですが0(ゼロ)から一緒に始めたら大変かもしれないけど楽しそうだと思い選択しました。無謀だったかもしれませんが、当時は若かったし怖いもの知らずでした。おかげでお世話になって30年です。ありがたいですよね。
-Q.苦労話などありますか?
みんなで苦労しました。売れない時期もあったでしょうし、その中でプロビームやRV-1などヒット商品ができました、今もすごくいいX-BLADEがでたり。そうすると反応がいいですよね。ウエアもパラディーゾになってお洒落になりました。いいものが出来た時の喜びを技術者と分かち合えるのはすごく楽しいです。
ただそれまでには技術者との話し合いで苦労もします。技術者は数値で話すけどこっちはフィーリングで話しをするのですごくモメますね。言っていることは多分技術者が正しいと思うんですよね、数値がちゃんと出てるから。でもこっちはフィーリングで話しをしないといけないので大変ですが、そこからいいものが生まれるので楽しいです。時には技術者に打ちのめされることもあるんですよ、遠慮なくこっち(福井)が間違っていたと。でもこれは勝った負けたではなく、根本にいいものを作りたいという事ですからね。
-Q.商品開発のほかにどのようなことをしていますか?
全てにおいて関わっています。イベントにも注力していて製品についての話など全国回っていて、イベントの数では誰よりも多いと自負しています。我々は広告塔として会社を背負っているわけです。選手は勝つことで認められます。我々はいいイベント、仕事、会話をして成功すると思っています。我々が失敗するとスタッフ全員が評価されないということです。
参加者は我々と接するのは一生に一度かもしれない。ここをつまらないと思われると一生つまらないと思われてしまう。そういう訳にはいけないので命がけという気持ちでやっています。あると思うのですが失敗は許されません。体調管理も気を付けています。ただ良かったかどうかはお客様が決めることですからね。
-Q.ブリヂストンの良さは?
うちは若々しくてチームワークがあって小回りが利きます。なのでちょっとした意見に反応できるし、元気があってノリがいい会社です。うちは世界的に有名な選手がラケットを使っているわけでは無く、日本で企画しているわけですから難しいこともあると思います。ですがそれを感じさせないし、いいものが出来れば必ず売れるという信条でやっていると思います。
-Q.ラケットの進化によってテニスはどのように変化すると思いますか?
ラケットの進化もありますし、フィジカルの部分で科学的トレーニングが導入され、よりテニスが速くなってきています。ラケットと共にフィジカルも進化しています。今後さらに速いタイミングで返したり、スピードボールが打てるようになると思いますが、結構なところまで来ていると思います。これからは戦略やピーキングの持っていき方なども重要になってくると思います。ラケットの進化についていけるフィジカルが無いとこれから勝つことが難しくなってくると思います。心技体揃わないといけないと思います。
ラケットに関しては各メーカーたくさんのラケットが出ています。プレースタイルや好みにもよりますが、選択肢は広がっています。たくさんのラケットに触れてもらいたいです。ブリヂストンのラケットもいいですよ。今日一番言いたいことかもしれません(笑)。自信をもって開発陣が作っていますので。レベルが上がればラケットも変わるかもしれませんし、自分をサポートしてくれる武器なのでいいラケットに巡り合えるといいですね。
-Q.いいラケットに巡り合うコツは?
たくさん使うことです。試打用ラケットなどどんどん試してみてください。そしてストリングも重要です。ラケットとストリングの組み合わせをどんどん試してみて今、自分に合うものを探してみてください。道具、体とともに強くなる実感を感じていただければよりテニスが楽しくなると思います。
※インタビューの続きは12月11日に配信する。
《福井烈独占インタビュー①》福井烈・・・小学生の時にテニスを始め、インターハイ3連覇、アメリカ留学の後に中央大学に進み多くのタイトルを総なめにする。当時史上最年少の20歳で全日本選手権シングルス優勝し、その後3連覇を達成、史上最多7度の優勝を誇った。小柄な体格ながらも正確無比なストロークを武器に活躍した日本を代表するテニス選手。
92年から96年までデビスカップの監督も努め、現在はテニスの解説や日本テニス協会常務理事、日本オリンピック委員会(JOC)理事 選手強化本部 副本部長を務めている。
(取材協力:ブリヂストンスポーツ㈱)
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