男子テニスの上位8選手によって争われる今季の最終戦、バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ(イギリス/ ロンドン、賞金総額650万ドル)は9日、グループBの予選ラウンドロビンが行われ、大会第4シードでアジア人選手として初出場の
錦織圭(日本)が第5シードの
A・マレー(英国)を6-4, 6-4のストレートで下し、錦織はマレーに初めて勝利し、初のツアー・ファイナルズ出場で準決勝進出に向けて大きな1勝を上げた。
スポーツチャンネルGAORA SPORTSで生中継され、試合直後に行われたインタビューで錦織は「ありがとうございます。このやったことの無い本当に大きなスタジアムで、入りは緊張もありましたけど、試合にしっかり集中出来て、気持ちが入り込めていたのでプレーも良く満足しています。」と試合を振り返っている。
マレー戦について「苦手というか、やりにくさを感じていたのは彼(マレー)のミスの無いストロークと、しっかりしたサーブもあるので、いつもはそこを崩せないでいたのですが、今日は自分からしっかり攻めることができました。しっかり最後まで攻撃的なプレーを心掛けて勝ちきれたと思います。」
「最初の方はファーストサーブが全く入っていなかったので、流れがなかなか作れずストロークにも良い流れが作れなかったのですが、後半は(サーブが)入ってきたのでこのようなプレーをしっかり続けて、サーブがやっぱりキーになると思うのでサーブから自分らしいプレーを心掛けて次の対戦も頑張ります」と答えている。
錦織はこの試合のファーストサービスの確率が46パーセントといつもに比べて低く、8度のダブルフォルトを犯し、セカンドサービスでマレーはベースラインより前に入ってリターンし、錦織にプレッシャーを与え2度のブレークを許した。
しかし錦織はマレーから8度のブレークチャンスから4度のブレークに成功し1時間35分で勝利した。
両者は4度目の対戦となり、錦織はマレーに1勝3敗と初勝利を上げた。
【錦織vsマレー 対戦成績】
<2014年>
・ATPワールドツアー・ファイナルズ予選ラウンドロビン 勝利 6-4, 6-4
<2013年>
・スイス・インドア準決勝 敗退 4-6, 0-2, 途中棄権
<2012年>
・全豪オープン準々決勝 敗退 3-6, 3-6, 1-6
<2011年>
・上海マスターズ準決勝 敗退 3-6, 0-6
8選手2グループに分かれ予選ラウンドロビンを行い、各グループの上位2選手が準決勝に進むことができる今大会、グループAには世界ランク1位の
N・ジョコビッチ(セルビア)、今年の全豪オープン覇者
S・ワウリンカ(スイス)、
T・ベルディヒ(チェコ共和国)、錦織を下し全米オープンで優勝した
M・チリッチ(クロアチア)がおり、グループBには7度目のタイトルを狙う
R・フェデラー(スイス)、錦織圭、A・マレー、
M・ラオニチ(カナダ)が出場している。
予選ラウンドロビンを1勝する度に200ポイントが付与され、決勝に進むとさらに400ポイント、優勝するとさらに500ポイントが付与され、全勝優勝の場合1500ポイント付与される。
また今大会の賞金は出場者に15万5千ドル(約1736万円)、予選ラウンドロビン1勝につき15万5千ドル(約1736万円)、全勝優勝した場合207万5千ドル(約2億3千万円)が与えられる。
今大会初出場の錦織はマレーにストレートで勝利したことにより、準決勝進出に向け大きな勝利を上げた。
同日には同じグループBのR・フェデラーとM・ラオニチの対戦が日本時間10日午前5時(現地時間9日20時)以降に予定されている。
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