男子国別対抗戦であるデビスカップの決勝戦が11月21日から23日にかけてフランスとスイスによって争われるが、フランス・チームの監督である
A・クレマン(フランス)氏がその決勝戦へ臨む布陣を発表した。
フランスはその北部に位置するリールを開催地として選び、スイスを招いて試合へ挑む。そして開催国がサーフェースの選択権があるため、スイスとの対戦を考慮しクレーコートを選択している。
クレマン氏が発表した布陣は、
JW・ツォンガ(フランス)、
R・ガスケ(フランス)、
G・モンフィス(フランス)、
G・シモン(フランス)の4選手。決勝戦へ向けてボルドーで合宿を行なう予定だと言う。
試合前に選手の変更は可能なため、他の布陣も頭にあると語るクレマン氏は「他の選手も考えてはいるが、現時点では発表した4選手でリールのコートに立つつもりでいる。今はその選手達と試合へ向けての準備に集中したい。」と土曜日に行われた記者会見で選手の発表を行った。
先週フランスはパリで行われた今季レギュラー・シーズン最後の大会だったBNPパリバ・マスターズでは、いずれの選手も3回戦の壁を越えることが出来なかったものの、17度のグランドスラム優勝を誇る
R・フェデラー(スイス)、今季全豪オープンを制した
S・ワウリンカ(スイス)有する強敵スイスとの対戦に、クレマン氏は勝機があると意気込みを語っていた。
「怪我などで万全な状態でパリでの大会を臨めなかった選手も試合に出場していた。」とクレマン氏。「それでも彼等は良いプレーを見せてくれた。それはとても良い事で前向きに考えられるところさ。今は徐々に状態も良くなっているし、デビスカップの決勝戦へ向けて気持ちを高めている。それが彼等の目標なんだ。」
ガスケはデビスカップ準決勝では、前年度チャンピオンであるチェコ共和国との対戦でフランスを決勝進出への導く活躍を見せていた。しかし先週のパリでは2回戦敗退を喫し、ここまでの4大会で3試合でしか勝利を上げられず、調子を落としている。
シモンは初戦となった2回戦で
F・ベルダスコ(スペイン)に敗れ、ツォンガは
錦織圭(日本)に、モンフィスも優勝した
N・ジョコビッチ(セルビア)を前に3回戦で敗退していた。
モンフィスは膝の怪我から大会自体を欠場しようと考えていたほどだったが、ジョコビッチとの試合では接戦となった第2セットで、素晴らしいプレーを披露してジョコビッチを苦しめるテニスを展開していた。
「リシャール(ガスケ)はデビスカップの決勝戦へ向けてかなりモチベーションが高まっている。決勝戦へ向けてしっかり気持ちを見据えている。そしてガエル(モンフィス)とジョー(ツォンガ)の上位選手との対戦で見せた高いレベルのプレーにも喜びを感じてもいるんだ。結果的には負けてしまったが、明らかにその試合は注目すべきものだったと信じている。」とクレマン氏は各選手への印象をコメントしていた。
フランスは球足が遅いクレーコートを選択し、フェデラーがこれまで獲得していないデビスカップでのタイトル獲得を阻もうと試みている。
各試合5セットマッチで行われるデビスカップ。その決勝は男子ツアー最終戦から5日後に行われるため、最終戦へ出場するフェデラーとワウリンカが速いハードコートの最終戦から遅いクレーコートへの調整に苦しむだろうと推測しおり、同時にツォンガもガスケもクレーコートではフェデラーから勝利を飾った経験がある事も考慮してのクレーコートの選択だった。
クレマン氏は、最終戦のダブルスに出場する
J・ベネトー(フランス)もボルドーで11月10日から16日へ向けて行われる最終合宿に招集する可能性を示唆した。
デビスカップの決勝戦は、27,000人収容のピエール・モーロワ・スタジアムで開催される。移動式屋根も設置されているスタジアムで行われる決勝戦で、フランスは10度目の優勝を目指す。一方のスイスは、これが初優勝へ向けての試合となる。
スイスはこれまでデビスカップの決勝戦へ1992年に1度だけ勝ち上がった事がある。しかしその時は、
A・アガシ(アメリカ)、
J・クーリア(アメリカ)、
J・マッケンロー(アメリカ)、
P・サンプラス(アメリカ)というそうそうたる布陣のアメリカに初優勝を阻まれていた。
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