男子テニスツアーの上海マスターズ(中国/上海、ハード、賞金総額約652万ドル/優勝賞金約80万ドル)は12日、シングルス決勝が行われ、第3シードの
R・フェデラー(スイス)が
G・シモン(フランス)を7-6 (8-6), 7-6 (7-2)のストレートで下し、大会初優勝を果たした。
この試合、フェデラーはファーストサービスが入った時78パーセントの確率でポイントを獲得し、両者1度のブレークから各セットタイブレークに突入したが、1時間53分でフェデラーが勝利した。
フェデラーは準決勝、
N・ジョコビッチ(セルビア)と対戦した時ほどのプレーではなく、試合を通じて36度のエラーを犯すが21度のウィナー、35度のネットプレーのうち24度決めた。
第1セット第1ゲームでシモンがいきなりブレークに成功し、フェデラーは追いかける展開となる。ストロークに緩急をつけ、強引ともいえるネットプレーでシモンのペースを崩そうとするがフェデラーもミスを犯し、第10ゲームでシモンのダブルフォルトもあり、ようやくチャンスが訪れ、2度目のチャンスでブレークに成功する。
タイブレークでは5ポイント目でフェデラーがフォアハンドのアウトでミニブレークを許すも、6・7ポイント目でミニブレークに成功しリードする。
10ポイント目でフェデラーは再びミニブレークを許し追いつかれるが、最後14ポイント目でフェデラーはバックハンドのダウンザラインを決め、第1セットを先取した。
第1セットを終え、シモンはバスルーム・ブレークと共にメディカルタイムアウトを要求し、第2セットに臨む。
シモンのサービスで始まった第2セット、第3ゲームで先にブレークチャンスが訪れたのはフェデラーだが、2度のチャンスを活かすことが出来ずシモンがキープする。
両者サービスキープが続く第9ゲームを終え、シモンはチェンジエンドの際、椅子に座り足をマッサージするようなしぐさを見せ、痛みからか顔をしかめる。その後も試合を続けるがボールを打つたびに痛みを表していた。
第10ゲームではフェデラーのドロップショットに反応できず転倒し、手首を押さえる場面もあった。
第12ゲームでシモンは2度のセットポイントをチャンスを得るが活かすことは出来ず、第2セットもタイブレークにもつれる。
1ポイント目でに見ブレークに成功したフェデラーだが、3ポイント目でシモンにパッシングショットを決められミニブレークを許す。
5・8ポイント目でフェデラーがミニブレークに成功しリードすると、最後はシモンがボールをネットにかけフェデラーが勝利した。
今大会フェデラーは初戦となる2回戦で
L・マイェール(アルゼンチン)に5度のマッチポイントを凌いで勝利し、3回戦で
R・バウティスタ=アグ(スペイン)、準々決勝で
J・ベネトー(フランス)、準決勝でジョコビッチを下しての勝ち上がりだった。
スポーツチャンネルGAORA SPORTSで生中継され、表彰後に行われたスピーチでフェデラーは、「本当に5本のマッチポイントを跳ね返した2回戦から決勝まで進むというのは信じられません。ジル(シモン)おめでとうございます。素晴らしい活躍でした。」
「2002年から大会に出場し、圭(
錦織圭(日本))が全米オープンで活躍した事もあり本当にアジアのテニス界は盛り上がりを見せています。関係各位、ロレックスを始めスポンサーの皆さま、そして信じられないくらい応援してくれたファンの皆さんありがとうございます。来年もまたお会いしましょう。ありがとうございました。」
最後にフェデラーは中国語でお礼を伝え、スピーチを終えた。
両者は7度目の対戦となり、フェデラーはシモンに5勝2敗とし、2008年の連敗から5連勝とした。
フェデラーは今季4勝目、キャリア81勝目を達成し、13日に発表されるATP世界ランキングでは約17ヶ月ぶりに2位に復帰する。
今大会優勝した事によりマスターズ大会7大会を制覇し、全大会制覇のゴールデン・マスターズ達成までモンテカルロ・マスターズとBNLイタリア国際の後2大会としている。
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