男子テニスツアーの上海マスターズ(中国/上海、ハード、賞金総額約652万ドル/優勝賞金約80万ドル)は11日、シングルス準決勝が行われ、第3シードの
R・フェデラー(スイス)が完璧なテニスを披露し、第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)を6-4, 6-4のストレートで下し、今大会初優勝へ王手をかけた。
両者は今年のウィンブルドン決勝戦で対戦して以来の戦いとなったが、その時は接戦でジョコビッチに軍配が上がったが、この日の試合はフェデラーが各セットで1度ずつのブレークを奪い、ジョコビッチにブレークを許さないサービスゲームを展開し1時間35分のストレートで退けた。
ジョコビッチはこの敗戦で、中国国内での連勝を28で止まった。
ジョコビッチは「彼(フェデラー)は完璧なプレーをしたよ。今夜の試合は彼が自分と対戦した中で最高の試合の1つだった事は間違いない。」とフェデラーのプレーを称賛していた。
「大舞台を楽しみにしているんだ。」とフェデラー。「それは世界のどこでも構わない。なぜなら、そこには常に多くの境界線が存在し、素晴らしい物語ばかりだからさ。今夜もまた同じような試合だった。」
最高の試合を見せたフェデラーだが、今大会は初戦で姿を消してもおかしくはなかった。初戦となった2回戦でフェデラーは、
L・マイェール(アルゼンチン)に5度のマッチポイントを握られるピンチを切り抜けて勝ち上がっていた。
「第1セットを取り、第2セットも先にブレークした時に思ったんだ。もしかしたら自分はここにはいなかったかも知れないってね。こうして決勝戦へ臨めるのはラッキーだと感じている。でも大会というのはそんなものさ。」と、フェデラーは今大会の勝ち上がりを振り返っていた。
ウィンブルドンの決勝戦はシーソーゲームの接戦をジョコビッチが制し、自身7回目のグランドスラム優勝を飾ったが、この日は35回もネットへ詰める積極的なプレーをしたフェデラーが、サービスでもジョコビッチを圧倒した。第1セットの中盤では、サービスエース4本だけでそのゲームをキープする好調さを見せるほどだった。
ジョコビッチは先週北京で行われたチャイナ・オープン男子では、見事負けなしの5度目の優勝を達成し、その決勝戦では
T・ベルディヒ(チェコ共和国)を6-0, 6-2と圧倒しての優勝だった。しかしこの日の試合では、第1セットの2ー2からの第5ゲームではフォアハンドのミスが重なりフェデラーにブレークを奪われ、第2セットの第1ゲームでもいきなりブレークを許す苦しい展開だった。
36回目の対戦を制したフェデラーは、これでジョコビッチとの対戦成績をを19勝17敗とした。
フェデラーは決勝戦で
F・ロペス(スペイン)を6-2, 7-6 (7-1)で下した
G・シモン(フランス)と対戦する。シモンが最後にフェデラーが勝利を奪ったのは2008年のツアー最終戦で、その時はここ上海で戦っていた。それ以降、シモンの1度の棄権敗退を含めフェデラーが4連勝している。
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