男子テニスツアーの上海マスターズ(中国/上海、ハード、賞金総額約652万ドル/優勝賞金約80万ドル)は8日、シングルス2回戦が行われ、第3シードの
R・フェデラー(スイス)が5本のマッチポイントを凌いで
L・マイェール(アルゼンチン)を7-5, 3-6, 7-6 (9-7)で下し、3回戦進出を決めた。
フェデラーは全米オープン直後に行われた国別対抗戦(デビスカップ)の準決勝にスイス代表として出場し、イタリアを下して見事決勝進出を決め、エースの役割を果たした。この日の試合はその時以来となる公式戦だった。
フェデラーはしばらくぶりの試合だったためか、試合を通してフェデラーらしからぬ57本ものミスを犯し、ネットへつめた時にもボレーミスが重なり約半分しかポイントに繋げる事が出来なかった。
しかし、この日のフェデラーは運も味方をしてくれた。最初のマッチポイントとなった第3セットのゲームカウント4ー5から自身のサービスゲームで15ー40とされた次のポイントでは、またしてもネットへつめたフェデラーに対してイージーボールをマイェールがバックハンドで返球したが、ネットへかけるミスを犯してしまった。
大ピンチを相手のミスで逃れると、そのゲームをしっかりキープし、その後タイブレークへもつれた第3セットで、フェデラーは4ー6と2本のマッチポイントを、そして6ー7と再びマッチポイントをしのぐ粘りを見せた。
そしてフェデラーはこの試合初めて握ったマッチポイントを、鮮やかなバックハンドのロブでマイェールの頭上を抜き敗戦目前の崖っぷちから勝利を手にしていた。
「今日は信じられないくらいラッキーだったと思う。本当に正直な気持ちとしては、彼(マイェール)が勝利にふさわしかった。この試合はこれまでの人生の危機で最大の脱出だったかも知れない。」とフェデラーは素直な気持ちを語っていた。
「第3セットの途中ではこんな風に思っていたんだ。しばらく休暇を取っていたんだ。こうして納得がいかない試合になっても仕方ないさってね。ボレーのミスでは、過去にないくらいの記録を生み出していたようなものさ。」と、実戦の感覚がまだ戻っていない事を明かしていた。
今大会初優勝を狙うフェデラーは、準々決勝進出を懸けて3回戦で第14シードの
R・バウティスタ=アグ(スペイン)と顔を合わせる。この日バウティスタ=アグは
V・ポスピシル(カナダ)を7-6 (7-1), 3-6, 6-4で下しての勝ち上がり。
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