先週末に世界各地で行われた男子国別対抗戦デビスカップで、クロアチアを4勝1敗で下し2008年以来のワールドグループ復帰へ大きく貢献したエースの
A・マレー(英国)が、デビスカップ出場を選手に義務付けるべきだと語った。
「我々選手達は、年間にどの大会に出場しなければならないか義務付けられている。デビスカップも同じように義務付ければ、出場するしないに関する議論にはならないはず。」とマレーは、イギリスのテレビ局であるBBCのインタビューに答えた。
「デビスカップを優先するかという問題ではない。世界のトップ選手達はどの大会に出場しなければならないか決められていて、ほとんど選択権がないのが現状。だから、どうしてデビスカップもそうではないのかわからない。」
「トップ選手達は年間18大会出場が義務付けられており、それに出場するには約27から28週間が拘束されてしまう。どれに出場して、どれにしないかの選択権がない。」
マレーは日曜日に行われたシングルスで、自国イギリスは2勝1敗と勝利まであと1勝を迫った状態で迎えた。そんな中、クロアチアのエースである
I・ドディグ(クロアチア)をストレートで下し、ワールドグループ復帰を決めた。
「ウィンブルドンあたりの時期にプレッシャーと上手く付き合えるようになったし、どうやってそんな中で勝ち抜いていくか、どうやって緊張や恐怖をコートに入る前に打ち勝つかを学んだ。」
また、ワールドグループの準決勝には世界ランク1位の
N・ジョコビッチ(セルビア)がセルビア代表としてカナダと対戦し、決勝進出へ貢献した。同2位の
R・ナダル(スペイン)もスペイン代表としてワールドグループへの入れ替え戦に臨みウクライナと対戦し、シングルスに加えダブルスにも出場してワールドグループ残留を決めた。
マレーは「デビスカップを管轄する国際テニス連盟(ITF)も先週は良い結果を持ったはず。ラファ(ナダル)も出場し、ノヴァーク(ジョコビッチ)だってそうさ。彼等はたくさんの観客を呼んだはずだからね。影響力のある数少ない選手。」と、トップ選手達の参加に好感触を抱いていた。
世界の8カ国しかいないデビスカップのワールドグループ入りについても「本当に楽しみ。世界でもトップの国々と、そしてトップ選手達と戦わなければならない。その舞台で戦うのは全ての選手達にとって興奮するものだし、自分も来年はその1人になりたいね。」と、期待を膨らませていた。
そして、マレー自身も来年のデビスカップへの出場に意欲を燃やしている。
「我々イギリス・チームも良いプレーをする準備が出来ていると感じる。イギリスにはダブルスのトップチームだっている。それに若手の
D・エヴァンス(英国)や
J・ワード(英国)も成長しているし、年末へ向けてランキングも上げてくるだろう。そうなれば、さらに安定したチームになるはず。自分だって健康でさえいれば、必ず出場するよ。」
「どの国と対戦するかは気にしていない。もちろん、当たりたくない国だってあるけど、勝てるチャンスがあると思える国だってある。祖国での優勝が希望だね。ワールドグループへ返り咲いて、世界でもトップの国と祖国イギリスの大きなアリーナで対戦出来たら、そんな最高な事はない。」
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