女子テニスツアーのサザン・カリフォルニア・オープンで、
D・ハンチュコバ(スロバキア)とペアを組み約6年ぶりに公式戦へ出場した元世界ランク1位の
M・ヒンギス(スイス)は復帰戦を白星で飾った。しかし、3大会連続の2回戦敗退を喫したヒンギスは、今週4大会目に出場したが1回戦でストレート負けを喫し「泣きたかった」と、その試合を振り返った。
現在行われているニューヘイブン・オープンに出場したヒンギス組は、1回戦で
C・ブラック(ジンバブエ)/
V・キング(アメリカ)組にストレートで敗れてしまい「泣きたかったわ。」と、語った。
「私達はあのプレーよりもっと良いテニスが出来るペア。それは以前の大会でも見せていた。出だしは良くて3-1とリードしたけど・・・突然5-2くらいになる展開だったのに3-4と劣勢に立たされると、そこから試合を持っていかれてしまった。」
ヒンギスは1997年3月に16歳6カ月という史上最年少で世界ランク1位を記録。シングルスに加えてダブルスでも好成績を残し、ダブルス世界ランク1位にのぼりつめるなど、1990年代終盤の女子テニスツアーの頂点に君臨していた。
しかし、2002年5月に左足首を手術。その後も怪我に泣かされ、同シーズンを最後にわずか22歳で引退したが、2006年から再びコートに戻りトップ10入りする活躍を見せていた。
翌2007年にコカイン陽性反応が出て2年間の出場停止処分を下されたヒンギスは、無実を訴えたものの長期間法廷で争う事はせずに2度目の引退を表明しいた。
ニューヘイブン・オープン1回戦敗退直後のインタビューでヒンギスは「今夜はインタビューを受ける最高の夜ではないわね。これまでもシングルスでの復帰はないと言い続けてきたけど、今日の試合の後は200パーセントないと言えるわ。試合にはもっとハングリー精神で臨まなければいけない。」と、敗戦の複雑な思いを語った。
「今までの自分の人生は最高のものだったって時々感じるし、長い間ツアーにいられた事をとても幸運だとも思えたけど、それは本当にハングリーでいなければならないものだった。本当に勝利が欲しいって思う必要があるの。」
ダブルスで復帰後も、好成績につながっていないヒンギス。思うような結果が出ない事に、本人の気持ちも複雑な思いが見え隠れしている。
「時には自分の人生が自分の問題だって思うの。良いプレーが出来ず、苦い敗戦を経験して気分が下がってしまうんだから。家にいると今はとても居心地が良いし、そんな場所を今は見つけている。なのに、なぜ最高なはずと思える場所で自分を厳しい状況に置いたり、苦しむような事をあえてしなければならないのかしら?」
来週から開幕する今季最後のグランドスラムである全米オープンにもハンチュコバと組み、女子ダブルスに出場する事を決めているヒンギス。復帰5戦目の大舞台で好成績を残し、復帰を決めた現役生活への気持ちを前向きに出来るだろうか。
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