男子テニスツアーのクレディ・アグリコル・スイス・オープン(スイス/グシュタード、レッドクレー)は25日、シングルス2回が行われ、第1シードの
R・フェデラー(スイス)が世界ランク55位の
D・ブランズ(ドイツ)に3-6, 4-6のストレートで敗れる番狂わせが起きた。元世界ランク1位のフェデラーは、先週の大会でも当時世界ランク114位の
F・デルボニス(アルゼンチン)に敗れる波乱に見舞われていた。
「何度かチャンスはあったけど、それを活かす事が出来なかった。」とフェデラーは、5度のブレークチャンスを握るも、1度もブランズのサービスゲームをブレークする事が出来なかった。
「終始、安定したプレーが出来ていなかったんだ。彼(ブランズ)はとても良いサーブを打ってきたし、十分なリターンが出来なかった。」
2004年に優勝した時以来9年ぶりにクレディ・アグリコル・スイス・オープンへ出場した31歳のフェデラーは、上位4シード選手が1回戦を免除されているため、この日の2回戦が今大会の初戦だった。
フェデラーがツアー大会初戦で敗れたのは2010年4月のローマでのマスターズ1000大会以来3年ぶりの事で、その時は
E・ガルビス(ラトビア)に6-2, 1-6, 5-7の逆転で敗れた。
今年のウィンブルドンでまさかの2回戦敗退を喫したフェデラーは、その後にラケットのサイズを変えて先週のベット・アット・ホーム・オープンから公式戦に臨んでいた。これまでは90平方インチの大きさのラケットだったが、現在は98平方インチへと面の大きいラケットに変えている。
ベット・アット・ホーム・オープンでフェデラーは準決勝まで勝ち上がったが、当時世界ランク114位で予選から勝ち上がったデルボニスにストレートで敗れた。その後は腰に違和感を感じながらも、この日の試合への出場を決めていた。
「今日のウォーミングアップの後に試合をするか決めた。ハンブルグでもすでに腰を痛めていたけど、今日はこうして試合が出来た事には満足しているよ。そして、試合中に悪化する事もなかった。常に前向きに考えているし、ここ数日で少し良くなっていたからね。」
「負けてしまったけど、今週ここグシュタードに来れて良かった。こうしてこの大会へ帰って来た事は最高だったし、観客も歓迎してくれたんだ。」
また、フェデラーはウィンブルドン後に発表された世界ランキングで、2003年6月以来10年ぶりにトップ4から転落し5位へ後退した。
一方、金星を飾ったブランズは、準々決勝で
V・ハネスク(ルーマニア)と対戦する。ハネスクはこの日、第8シードの
R・バウティスタ=アグ(スペイン)と対戦したが、ハネスクが7-6 (7-2), 3-2とリードしたところで、バウティスタ=アグが腰の痛みを訴え途中棄権を申し入れたため思わぬ形で勝利が転がり込んだ。
この日行なわれた試合結果は以下の通り。
●R・フェデラー(1) vs. ○D・ブランズ, 3-6, 4-6
●
J・ティプサレビッチ(セルビア)(3) vs. ○R・ハース, 2-6, 2-6
●R・バウティスタ=アグ(8) vs. ○V・ハネスク, 6-7, 2-3 (途中棄権)
○
M・グラノジェルス(スペイン) vs. ●F・デルボニス, 6-2, 7-5
■関連記事■
《引退についてフェデラー「それは突然訪れる」》《復活狙うフェデラー「この大会も新しいラケットで」<クレディ・アグリコル・スイス・オープン>》《フェデラーがトップ100圏外に敗れる波乱、キャリア通算12度目<ベット・アット・ホーム・オープン>》《フェデラー「大きなラケットにトライ」、90から98平方インチへ》《大番狂わせ、ナダルに続きフェデラーも<ウィンブルドン>》《落胆のフェデラー「圭は勝者に値する」<ムチュア・マドリッド・オープン男子>》《フェデラー、10年ぶりにトップ4から転落<世界ランキング>》■関連動画■
《フェデラーが語った、ウィンブルドンで学んだこと!ATP男子ツアーマガジンVol.177》《フェデラーが芝のコートで躍動!ATP男子ツアーマガジンVol.176》(翻訳・記事/弓削忠則)