テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)は2日、女子シングルス準々決勝が行われ、第23シードの
S・リシキ(ドイツ)がノーシードの
K・カネピ(エストニア)を6-3, 6-3のストレートで下し、大会2度目のベスト4進出を決めた。世界ランク24位のリシキは、4回戦で第1シードの
S・ウィリアムズ(アメリカ)を破る大金星をあげていた。
リシキは準々決勝で、ファーストサーブが入った時に79パーセントの確率でポイントを獲得、さらに23本のウィナーを放った。また、カネピのサービスゲームを4度ブレークしたリシキは、最後鮮やかなフォアハンドのドライブボレーを決めて、1時間5分で4強入りを決めた。
23歳のリシキは、1回戦で2010年の全仏オープン覇者で元世界ランク4位の
F・スキアボーネ(イタリア)に6-1, 6-2の快勝、2回戦ではウィンブルドンの前哨戦であるAEGON国際オープン女子で優勝の
E・ヴェスニナ(ロシア)を6-3, 6-1のストレートで下した。
さらに、3回戦では2011年の全米オープンで優勝を飾った第14シードのS・ストザーに4-6, 6-2, 6-1の逆転で勝利。
そして、4回戦でセリーナを6-2, 1-6, 6-4のフルセットで下す大金星をあげた。また、この勝利でリシキは世界ランク1位セリーナの連勝記録を34でストップさせると同時に、大会6度目の優勝と2連覇を阻止した。
今年セリーナは全豪オープンでベスト8進出、全仏オープンで2002年以来11年ぶり2度目の優勝を飾ると同時にグランドスラムでは通算16度目のタイトルを獲得していた。
セリーナとの4回戦後、リシキは「相手(セリーナ)が今年の全仏優勝者だった事がプラスになったわ。ここ(ウィンブルドン)では過去3回連続で全仏優勝者に勝利していたから、縁起がいいの。」と、コメントしていた。
リシキはウィンブルドンと相性が良く、2009・2012年にベスト8進出、さらに2011年にはベスト4へ駒を進めているため、今回が2度目の4強入りとなった。
リシキの自己最高ランクは、2012年5月に記録した12位である。
4強入りを決めたリシキは、グランドスラム初の決勝進出をかけて、第4シードの
A・ラドワンスカ(ポーランド)と第6シードの
N・リー(中国)の勝者と準決勝で対戦する。
世界ランク4位のラドワンスカは、昨年のウィンブルドンでグランドスラムを通して初の決勝進出を果たすも、決勝でセリーナに敗れ準優勝に終わっている。一方、同6位のリーは2011年の全仏オープンでグランドスラム初の優勝を飾っており、全豪オープンでは2011・2013年に準優勝している。
一方、リシキに敗れた28歳のカネピは、これまでのツアー大会で4度の優勝を飾っている。2008年の全仏オープンではベスト8進出を果たしており、これはエストニアのテニス選手として史上最高成績となった。
昨年の全仏オープンでも8強入りしたカネピだったが、その後は怪我によりウィンブルドン、ロンドンオリンピック、全米オープンを欠場した。カネピの自己最高ランクは、2012年8月に記録した15位である。
また、今年のウィンブルドンは上位シード勢が早期敗退する波乱が続出しており、第2シードの
V・アザレンカ(ベラルーシ)は右膝の怪我により2回戦を前に棄権、第3シードの
M・シャラポワ(ロシア)は2回戦でストレートで敗れた。
さらに、第5シードの
S・エラーニ(イタリア)と第10シードの
M・キリレンコ(ロシア)は初戦敗退、第7シードの
A・ケルバー(ドイツ)と第9シードの
C・ウォズニアキ(デンマーク)は2回戦で姿を消した。
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