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テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)は大会12日目の7日、女子シングルス決勝が行われ、第6シードのS・ウィリアムズ(アメリカ)が第3シードのA・ラドワンスカ(ポーランド)に6-1, 5-7, 6-2のフルセットで勝利、今大会通算5度目、グランドスラム通算14勝を達成した。
2010年のウィンブルドン優勝以降、健康の問題に悩まされてきたセリーナは「私にとって信じられない旅路でした。素晴らしい気持ちです。大会を通して、本当に体調が良かったです。これは間違いなく素晴らしい何かの始まりだと思います。」と、久しぶりのメジャータイトルを喜んだ。
マッチポイントでバックハンドのウィナーを決めたセリーナは、その場でコートに倒れ込み、姉でありウィンブルドン5勝を誇るV・ウィリアムズ(アメリカ)が笑顔で見守る中で立ち上がった。
ネットを挟んでラドワンスカと握手を交わしたセリーナは、観客席を駆け上がり、自らをサポートしてくれたスタッフたちと喜びを分かち合った。
「たくさんのタフな出来事と向かい合うときは、少しガードを下げて、自分らしくあるべきです。」とセリーナ。「自分らしくあることが大好きです。私は普通の人間です。人々が私のそういった一面を見てくれる時が好きです。」
試合開始から経験に勝るセリーナが5ゲームを連取、試合は一方的に終わると思われた。今回がキャリア初のグランドスラム決勝だったラドワンスカは、前日の記者会見をキャンセルするなど、呼吸系に問題を抱えていた。
第2セット序盤でセリーナにブレークを許したラドワンスカであったが、第8ゲームでブレークバックに成功すると、第12ゲームでもブレークをセリーナから奪い、セットオールに追いつく。
「彼女は本当に良いプレーをはじめました。」とセリーナ。「彼女は素晴らしいグラスコートでのテニスをはじめました。たくさん返球してきましたし、少しパニックになってしまいました。」
第3セットに入ると再びセリーナが主導権を握り、第4ゲームから5ゲームを連取、一気にラドワンスカを突き放した。セリーナは試合を通して58本のウィナーを記録しているが、ファイナルセットだけで20本を決めていた。
「自分にもチャンスがありましたし、第2セットをとれました。」とラドワンスカ。「第3セットでの彼女は重要なポイントで良すぎました。ですから、あそこから挽回するのは難しいことでした。」
屋根が開けられたセンターコートで行われた女子シングルス決勝、第1セット終了後に雨のために一時中断となったが、屋根は閉じられることなく試合は再開されていた。
もし23歳のラドワンスカがこの試合に勝利して自身初となるメジャータイトルを獲得していた場合、来週発表される世界ランキングでM・シャラポワ(ロシア)を抜いて1位になっていた。しかし、ラドワンスカが敗れたことによって、1位の座はV・アザレンカ(ベラルーシ)のものとなる。
5月に行われていた全仏オープンでセリーナは、自身初となる初戦敗退を喫していた。1998年の全豪オープンからグランドスラムに出場ているセリーナにとって、初めてのことだった。
今大会でのセリーナはサーブが好調で、3回戦では1試合でのサービスエース数の最多記録を塗り替える23本のエースを記録。さらに準決勝では、自らの記録を更新する24本のサービスエースを決めていた。
この日の決勝でもセリーナは17本のサービスエースを記録、大会を通して102本のサービスエースは新記録となった。
「どうしてそんなに好調なのか説明できません。どうやったのかも分かりません。リズムはありました。そういった感覚です。」
セリーナにとって、このタイトルは2年前のウィンブルドン以来となる。その最後のタイトルを獲得した後、セリーナはレストランで足に怪我を負うと、その後は度重なる健康上の問題に悩まされていた。
「もちろん落ち込みました。」とセリーナ。「胃にチューブを通してドレーンしていました。血腫が出来る前は肺にも問題があって、その後に足の手術を受けました。」
30歳のセリーナは、1990年に今大会で優勝したM・ナブラチロワ(アメリカ)以来となる30歳以上のウィンブルドン女王となった。表彰式でセリーナは「気分は12、13歳くらいでした。」とおどけて見せた。
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