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テニスのグランドスラムである全仏オープン(フランス/パリ、クレー)は大会2日目の28日、男子シングルス1回戦が行われ、第1シードのN・ジョコビッチ(セルビア)、第3シードのR・フェデラー(スイス)がともに勝利、順当に2回戦に駒を進めた。
この日のセンターコート第3試合に登場したジョコビッチは、P・スタラーチェ(イタリア)に7-6 (7-3), 6-3, 6-1のストレートで勝利、グランドスラム4大会連続優勝の偉業達成に向けて、初戦を勝利で飾った。
「プレッシャーは常にあります。プレッシャーを感じるのは特権のようなものだと捉えていますし、挑戦でもあります。」とジョコビッチ。「もしプレッシャーを感じるのならば、それは正しいことをしているということです。」
今大会からユニクロのウエアを着用しているジョコビッチは昨シーズン、全豪オープン、ウィンブルドン、そしてUSオープンでタイトルを獲得。さらに、今年も全豪オープンでタイトルを獲得している。
ジョコビッチにとって今年の全仏オープンは、生涯グランドスラムを達成するための最後の1ピースというだけでなく、過去のチャンピオン達が達成できなかった四大大会の完全制覇という偉業達成がかかっている。
昨年の今大会では、準決勝でフェデラーに敗れていたジョコビッチは「そのことについてネガティブなプレッシャーはありません。そのことは挑戦ですし、喜んで受け入れて、楽しむものだと思っています。1歩ずつ進んでいくものです。まだタイトルについて話すには早いですが、間違いなく目標ではあります。」と、タイトルへの思いを語っている。
この日の試合を通して1本もブレークピンチに直面することのなかったジョコビッチであったが、第1セットではスタラーチェの粘りの前にリードを奪うことができず、タイブレークまでもつれることとなった。
第2セットでは第3ゲームだけで5本のブレークチャンスがありながらも、ブレークには至らなかったジョコビッチだが、第7ゲームで初めてブレークに成功すると、その後は快調にポイントを重ねていった。
「序盤は、リズムとフットワークの調整が必要でした。それに第1セットで彼は明らかに良いプレーをしていました。」とジョコビッチ。「だけど、試合が終わった今から考えると、第1セットがタフだったことは良かったと思います。」
順当に勝ち上がった場合、準決勝で再びジョコビッチと対戦することとなるフェデラーは、T・カンケを6-2, 7-5, 6-3のストレートで撃破、男子ツアーで最多記録に並ぶ、グランドスラム通算233勝目を挙げている。
試合後のインタビューで、自身のグランドスラム本戦の初勝利について聞かれたフェデラーは、少し考える素振りを見せながらも「思い出せないよ。」と一言。
レポーターに2000年の全豪オープンで、相手はM・チャン(アメリカ)だったことを告げられたフェデラーは「本当に?それは素晴らしい勝利だね。」と、にこっと笑いながら答えた。
30歳のフェデラーは、この日の勝利でJ・コナーズ(アメリカ)に並ぶオープン化以降最多勝利となる233勝をマークした。
「振り返ると、ずいぶんと長い間プレーしてきたことに気づかされます。キャリアの最初の頃は、テレビで見てきたような有名な選手と対戦することが好きでした。」とフェデラー。「でも今は、自分よりも若い選手、新しい世代の選手と対戦しています。何年間も大きな怪我に悩まされなかったのは素晴らしいことです。それに、いつもテニスをプレーすることを楽しめています。」
1970年代から90年代にかけて活躍したコナーズは、グランドスラムで8勝を達成しており、通算233勝49敗という記録を残している。
「コナーズはいまだに偉大なチャンピオンです。」とコメントしているフェデラーは、全仏オープン通算50勝も達成している。他の3大会でも50勝以上を記録しているフェデラーは、四大大会全てで50勝を達成した唯一の選手となった。
さらにフェデラーは、今大会でグランドスラム連続50大会出場も達成している。これは1968年のオープン化以降、史上3位の最長記録となる。男女を通じての連続出場記録は、杉山愛(日本)の62大会連続となっている。
「大きな大会は大好きです。」とフェデラー。「これほどの長い間、成功を続けてこれましたし、わずか30歳でその記録に並べたことは信じられません。とても満足しています。」
この他の上位陣も順当に勝ち上がっており、第7シードのT・ベルディフ(チェコ共和国)がD・セラ(イスラエル)に6-3, 6-4, 6-1で、第10シードのJ・アイズナー(アメリカ)がR・デュトラ・ダ=シルバに6-3, 6-4, 6-4で、そして第11シードのG・シモン(フランス)がR・ハリソン(アメリカ)に3-6, 7-5, 6-4, 6-1で勝利している。
また主催者推薦で出場している元王者のL・ヒューイット(オーストラリア)はB・カブチッチ(スロベニア)と対戦したものの、試合はカブチッチが7-6 (7-2), 6-3, 6-7 (4-7), 6-3で勝利、初戦で大会を去ることとなった。
この他の試合の結果は以下の通り。
F・セラ(フランス) ○-× F・ロペス(スペイン) (15), 5-0, 途中棄権
M・ラオニチ(カナダ) (19) ○-× R・ラミレス=イダルゴ(スペイン), 6-4, 6-2, 6-2
M・グラノジェルス(スペイン) (20) ○-× J・ソウサ(ポルトガル), 6-2, 3-6, 6-3, 6-4
A・セッピ(イタリア) (22) ○-× N・ダビデンコ(ロシア), 6-3, 7-6 (7-5), 7-5
D・ゴファン(ベルギー) ○-× R・シュティエパネック(チェコ共和国) (23), 6-2, 4-6, 2-6, 6-4, 6-2
P・コールシュライバー(ドイツ) (24) ○-× M・エブデン(オーストラリア), 6-4, 6-4, 7-6 (7-4)
B・トミック(オーストラリア) (25) ○-× A・ハイデル=マウアー(オーストリア), 7-6 (7-5), 6-3, 6-3
V・トロイキ(セルビア) (28) ○-× T・ベルッチ(ブラジル), 4-6, 6-3, 5-7, 6-3, 6-2
K・アンダーソン(南アフリカ) (31) ○-× R・マシャド(ポルトガル), 7-6 (7-2), 6-7 (6-8), 4-6, 6-1, 11-9
H・ゼバロス ○-× E・プロドン(フランス), 6-7 (8-10), 6-3, 6-3, 6-2
J・レヴィン(アメリカ) ○-× B・ベッカー(ドイツ), 7-5, 6-2, 6-4
A・クレマン(フランス) ○-× A・ボゴモロフJR(ロシア), 6-2, 3-6, 4-6, 7-6 (7-2), 5-4, 途中棄権
B・ベイカー(アメリカ) ○-× X・マリス(ベルギー), 6-3, 7-6 (7-1), 7-6 (7-5)
P・H・マチュー(フランス) ○-× B・パウ(ドイツ), 2-6, 4-6, 6-4, 6-3, 6-0
M・ジャジーリ(チュニジア) ○-× P・ペッツシュナー(ドイツ), 6-3, 7-5, 7-6 (9-7)
M・ククシュキン(カザフスタン) ○-× E・ガルビス(ラトビア), 6-4, 7-6 (7-4), 5-7, 2-6, 6-4
M・クリザン(スロバキア) ○-× F・ダンチェビッチ(カナダ), 4-0, 途中棄権
L・クボット(ポーランド) ○-× K・ベック(スロバキア), 7-5, 6-2, 7-5
A・ウングル(ルーマニア) ○-× D・ナルバンディアン(アルゼンチン), 6-3, 5-7, 6-4, 7-5
S・ヒラルド(コロンビア) ○-× A・ファリャ(コロンビア), 5-7, 6-2, 6-4, 7-6 (7-4)
M・ロドラ(フランス) ○-× G・ガルシア=ロペス(スペイン), 7-6 (7-5), 6-2, 3-6, 6-3
L・メイヤー ○-× O・ロクス(ベルギー), 6-3, 6-4, 2-6, 6-4
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