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ウォズニアキが敗れる波乱、セリーナは棄権◇W&Sオープン女子

女子テニスツアーのW&Sオープン女子(アメリカ/シンシナティ、賞金総額205万ドル、ハード)は17日、シングルス2回戦残り12試合が行われ、世界ランク1位で第1シードのC・ウォズニアキ(デンマーク)が敗れる波乱に見舞われた。その波乱の立役者は主催者推薦のC・マーケイル(アメリカ)で、ウォズニアキを6-4, 7-5のストレートで下した。また復活を果たしたS・ウィリアムズ(アメリカ)は怪我のため棄権を申し入れて大会を去った。

メジャータイトルこそ無いものの、その安定したプレーで世界ランク1位の座に君臨しているウォズニアキだが、この日はミスの連発してしまい、19歳のマーケイルに試合の主導権を握られてしまう。第1セットを先取したマーケイルは、第2セットで1度ブレークを許すも2度のブレークをウォズニアキから奪い、6-5から自身のサービスゲームを迎える。

そのゲームもこの日のウォズニアキを象徴するプレーだった。1本目はバックハンドが長くアウト、2本目はフォアハンドがサイドにアウト、3本目はバックハンドのリターンをネット、最後は攻めようと思ったフォアハンドをミスヒット。その結果マーケイルが1時間57分で、テニス人生最大の勝利を飾った。

「みなさんの応援が力になりました」と試合直後のコート上でのインタビューで地元ファンに感謝の気持ちを叫んだマーケイル。「彼女(ウォズニアキ)との対戦を楽しみにしていました。そして祖国アメリカでのプレーは、観客の応援が味方になるとも思っていたのです。目の前の1ポイントだけに集中して、誰と対戦しているかをあまり考えないようにしました。」と試合へ臨んでいた時の気持ちを語っていた。

今大会は上位8シード選手が1回戦を免除されているため、この日の2回戦が初戦だったウォズニアキは「今日は37本のミスを犯してしまいました。普段は1試合で7~8本しかミスをしないのに。こんな事もあります。良い時もあれば悪い時もあるものです。またコートに立ってたくさんの試合に勝ちます。もちろん勝ちたかったしがっかりもしていますが、この大会でのこと。人生はまだまだ続くのです。」と現実を受け止めていた。先週のトロントでも初戦敗退を喫していたウォズニアキは2大会連続で勝ち星なしとなった。

約1年のツアー離脱から復帰を果たしたセリーナは、この日の2回戦で第10シードのS・ストザー(オーストラリア)と対戦予定だったが、右足親指の怪我が悪化したため試合開始前に棄権を申し入れて大会を去ることを決めた。

6月にツアー復帰したセリーナだったが、連覇を狙ったウィンブルドンでは4回戦敗退と一時は世界ランクを175位まで下げていたが、このアメリカ・シーズンに入って本来のプレーを取り戻し、2大会で優勝を飾るなど現在は31位まで上昇していた。今大会の1回戦でも勝利を飾り12連勝中だったセリーナだが、水曜日に目覚めた時に右足親指の腫れを感じての決断だった。

「以前ほど悪い状態ではありません。これまでとても多くの試合をして来ました。そのために悪化してしまったのでしょう。これ以上悪化させたくないし、健康を優先させて棄権を決断しました。今はリスクを犯す時ではないと判断したのです。」とセリーナは怪我の状態と棄権への決断の経緯を説明していた。

ベスト8進出を懸けてマーケイルは、第15シードのA・イバノビッチ(セルビア)を6-3, 7-6 (7-4)で退けたN・ペトロワ(ロシア)と、ストザーは第5シードのN・リー(中国)と3回戦で対戦する。

この日棄権で大会を去った選手はセリーナだけではなかった。第3シードのV・アザレンカ(ベラルーシ)もこの日の2回戦でS・ペア(イスラエル)と対戦予定だったが、試合開始前に右手の怪我を理由に欠場を申し入れた。アザレンカに代わってラッキールーザーでP・パルメンティエ(フランス)が試合に臨んだ。しかし試合はペアがパルメンティエを6-2, 6-3のストレートで下して3回戦進出を決めた。ペアはS・エラーニ(イタリア)を6-2, 6-4で倒した第16シードのS・ポン(中国)と3回戦を行う。

その他の試合では、第2シードのV・ズヴォナレーワ(ロシア)E・マカロバ(ロシア)を6-3, 6-0のストレートで、第7シードのF・スキアボーネ(イタリア)M・キリレンコ(ロシア)を7-5, 3-6, 6-4で下して初戦の2回戦で勝利を飾った。

昨年の全仏オープンで優勝を飾り、今年は準優勝だったスキアボーネは、この日の第2セットでは12ポイントを連続でキリレンコに奪われそのセットを落としてしまう。第3セットもキリレンコが3-0とリードしていたが、続く7ゲーム中6ゲームを勝ち取り、2時間27分の接戦を制した。

「今日の試合はとても厳しかった。特に第3セットは。キリレンコがとても素晴らしいプレーをしたけど、最後は自分が安定感を取り戻すことが出来ました。この大会で調子を上げる機会に恵まれました。大切なことはUSオープン前に良いバランスを掴むことですね。」とスキアボーネは、勝利に安堵した様子だった。

スキアボーネは3回戦で第13シードのJ・ヤンコビッチ(セルビア)と顔を合わせる。ヤンコビッチはこの日、鄭潔(中国)を4-6, 6-3, 6-1の逆転で下しての勝ち上がり。

第1セットで4-1とリードしながらも落としたヤンコビッチだったが、第2セットでは立て直しに成功すると、その後は鄭潔を圧倒。ここ数ヶ月スタンプに陥っていたヤンコビッチは、全仏オープン後初となる同一大会での2勝目を飾った。スキアボーネとはこれまで3勝2敗とリードしている。

その他の試合結果は以下の通り。

A・ペトコビッチ(ドイツ) (9) ○-× S・アービッドソン(スウェーデン), 6-2, 6-4
S・クズネツォワ(ロシア) (14) ○-× P・ツェトコフサ(チェコ共和国), 4-6, 6-3, 6-4
P・マーティク(クロアチア) ○-× Y・ウィックマイヤー(ベルギー) (17), 3-6, 6-2, 6-2
D・ハンチュコバ(スロバキア) ○-× F・ペネッタ(イタリア), 6-3, 6-4

今大会の優勝賞金は36万ドル。

(2011年8月18日12時51分)

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