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負ければ現役生活が終わる36歳のプレーとは誰も思えなかっただろう。アガシが最初のヤマ場と見られた全豪オープン準優勝者、バグダティスをフルセットで撃破。4大大会通算224勝目に「高い水準のテニスだった」と、自画自賛した。
チケットは完売。約2万3000人のスタンドの声援がアガシを後押しした。「こんな応援をされてがっかりさせるわけにはいかない。だから、ここを(最後の舞台に)選んだ」
地元のヒーローに立ち向かうバグダティスも闘志をあらわにし、鋭いショットが互いの一瞬の隙をうかがうストローク戦になった。だが、最終セットの終盤、バグダティスの両足がつった。36歳は21歳のパワー、スタミナを上回った。3時間48分の大熱戦を制したベテランは「この1年こういうプレーはできていなかった。驚いている」。敗れたキプロスの英雄は「36歳にして、こんなすごいテニスをするとは」と脱帽した。
選手寿命の長さは地道な筋力トレーニングのおかげ。2003年、33歳になる直前に世界ランキング1位に復帰し、史上最年長記録もつくった。01年に結婚したテニス界の元女王、シュテフィ・グラフさんの支えも大きい。
以前は課題だったネットプレーも今大会では完ぺきだと報道陣に指摘されたアガシは「まだ向上しているかも。もう1年やるべきかな」と笑った。(共同)(了)
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