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オムニバス編

Vol.1 大人なショットを身につけよう 上巻

さりげなく決めるボレー&スマッシュ ②

これが打てると大人っぽい

大人のショットを練習すると技術も向上する

ここでは、「これが打てると大人っぽい」という技術を、具体的にいくつかピックアップしていこう。それぞれに関して技術的に細かく解説するスペースはないが、習うより慣れろの考え方で、しっかりと練習を積んでほしい。そうすることで、それ以外の技術(=ボレーやスマッシュ全般)も自然にうまくなるからだ。

そうしてショットの選択肢を増やしておけば、試合でも絶妙なタイミングで打てるようになるわけだ。

「これが打てると大人っぽい」という意味では、まずはクロスのアングルボレーが、シングルスでもダブルスでも欠かせない。タイミング良く打てば、切れの良いボレーでなくても十分に効果があり、シングルでは角度の深さよりもミスしないことが大事なのに対し、ダブルスではより角度重視になる。また通常は、バックよりもフォアのほうが多少むずかしい(ミスが出やすい)ので、ぶっつけ本番で打つのではなく、しっかり練習して準備しておきたい。

逆クロスへ浅めに打つバックボレーは、シングルスでかなり有効になるショットだ。クロスのパスに対して受け流すように浅めに打つと、相手は長い距離を走らなければならず、たとえ一発で決まらなくても、次で決められる可能性はかなり高くなる。技術的には肘の使い方がポイントになるが、詳しくは下の連続写真を参照してほしい。

ダブルスでは、面を合わせるだけで逆クロスに決めるポーチを、ぜひ身につけておきたい。これも叩きこむのではなく、リラックスしてポンと弾き返すのがポイントで、絶対に取れないようなコースに決めると、かなり大人っぽいし、相手としては非常にイヤなやられ方となる。また練習は、ポーチに関しては実戦形式で行なうことが大切だ。

アレーコートをきっちり狙えるストレートへのボレーも、ダブルスでは欠かせない。とくにロブ気味のボールを打たれたときに、バックのハイボレーでアレーに打てると大きな武器となる。ここでは、逆クロス側に切れないボールを打つことが大切で、そのためにはフォア、バックとも振り抜くのではなく、インパクトで止める打ち方をしたほうが良い。

逆クロスに角度をつけて打つスマッシュは、シングルス、ダブルスの両方で有効になる(シングルスでの狙いはサービスラインの角ぐらい)。軽く打ってそこに決めると、かなり大人っぽいし、相手に「やるな」と思わせることができる。また、クロスにも同じように打てれば(このほうがサイドに切れやすくリスクが大きい)、さらに上級者らしくなる。

これはかなり上級な技術だが、サーブのように回転をかけたグラウンド・スマッシュが打てると、ベースラインからでも不安なく打ちこむことができる。高いロブを上げられるとノーバウンドで打てない場合があるが、そんなときに非常に効果が高いショットだ。これが打てると相当カッコいいので、ぜひトライしてみよう。

杉山愛の逆クロスへのスマッシュ
逆クロスのスマッシュはサイドに切れにくい弾道になるので、思いきって角度をつけやすいショットだ。スマッシュの技術的ポイントについては、プレイの柱になるショットを作ろう ダブルス編下巻を参照してほしいが、ここでは何よりもラケットヘッドを十分に返す(6~9)ことが大切になる。
N.キーファーの逆クロスへのバックボレー(倍速デジタル撮影)
逆クロスへのバックボレーでは、肘でスウィングをリードすることがポイントになる。肘からスウィングを引き出して、サイドスピンをかけるようにボールをとらえ、あとは身体で運ぶだけで、比較的楽に逆クロスに持っていくことができるのだ(ただしサイドアウトには要注意)。
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(テニスジャーナル 2005年5月号)
© SKI Journal Publisher Inc.

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