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Vol.9ここが違う! 苦手な人と得意な人 上巻

ここが違う! 苦手な人と得意な人

テニスのショットの中には、得意な人と苦手な人がはっきり分かれるものがある。
それはどうしてなのか? 得意/苦手の差はどこにあるのか?
それを比較しながら、苦手を克服する方法を考えていくというのが今回のテーマです。

総論 自分のプレイスタイルも含めて考えていこう

あなたには、「これだけはどうも苦手」とか逆に「これは苦手にしている人が多いけど自分は得意」といったショットがないだろうか。

ただ、そうした得意か苦手かという差は、じつはほんのちょっとした部分の違いだったりすることがよくある。そこで今回は、得意と苦手を分けるポイントがどこにあるのかを比較・分析しながら、苦手を克服する方法について考えていきたい。

あまり欲張りすぎず、バランスを大切にしよう

ただし、「すべてのショットを得意にしたい」というように欲張りすぎるのも良くない。たとえ、ちょっとした工夫で改善ができるとしても、それを定着させるには地道な練習が必要なので、あれもこれもと欲張りすぎると、すべてが中途半端になってしまう恐れがあるからだ。

だから、まずは自分のプレイスタイルや試合での戦い方をよく考え、優先順位がいちばん高いのはどこなのかを見極めることが大切になる。そのうえで、自分の得意な部分を伸ばし、苦手な部分を補って、トータルでいかにバランス良く自分の個性や総合力を高めていくかということを、よく考えてほしい。

チャンスボールの決め球

ボールの弾道を変えられない

最初のテーマは、チャンスボールが来たときに、一発で決めるか次のボレーで仕上げるかという攻撃のショット。ストロークは得意だし、安定しているが、そこから先が決めきれないという人は、かなり多いのではないだろうか。

振り抜きが上向き(通常と同じ)すぎる

振り抜きが上向き(通常と同じ)すぎる

これが苦手な人の原因には、ボールの軌道をうまく調整できないというケースが多い。つまり、イラストのように通常と同じ感覚で振り抜いてしまうため、振り抜き(ボールを打ち出す方向)が上向きになりすぎてしまうということだ。そのため、アウトやビビってネットにかけるといったミスが増えてしまうのだ。


振り抜きの調整ができる

これが得意な人は、打つポジションによってスウィング軌道を適切に調節できる人だ。つまり、前に出て打つ場合は、イラスト下のように振り抜きを低くして、ボールを低く抑えられる。そのため、浅いボールでも恐がらずにしっかりと振り抜いてコートに収めることができるのだ。

苦手な人はどうすればいい?

技術的なポイントはここまで説明した通りだが、頭で理解しただけではもちろん身につかない。とくに深いボールと浅いボールの打ち分けが大切なので、交互に打つ練習も必要だ。また、練習だからミスしてもいいという気持ちではなく、試合のときと同じつもりで練習することが大切になる。


得意な人は、振り抜きが低い チャンスボールの強打が得意な人には、振り抜きやフィニッシュが低いという共通点がある。それによって、ボールの弾道を下図(赤いライン)のように調節しているからだ。苦手な人へのアドバイスとしても、「振り抜きで調整する」という感覚が有効になる。
ボールの軌道の◎と×
前に出てチャンスボールを打つ場合は、いつも通りの軌道で打ったら当然アウトしてしまう。また、打ち出し角度は同じままでスピンを多くして入れると(水色のライン)、攻撃力が落ちてしまう。したがって、この場合は赤いラインのように、通常よりも低い弾道のボールが打てなければいけないのだ。
A.ロディックのチャンスボールのハードヒット
相手の甘い返球をサービスラインの手前からハードヒットした場面。フォロースルーを低く前に振り抜く(7以降)ことで、ボールの弾道を低く抑え、アウトのリスクを減らしている。フィニッシュは低いが、上体が前に倒れてはおらず、背すじを伸ばしてしっかりと軸をキープしながら、身体を十分に回転させている点も、ぜひ見習ってほしい。
A.ロディックのチャンスボールのハードヒット
T.アシオンヌの横からフォアハンド・アプローチ
こちらは、上よりもスピンを多めにした例。ただし、フォロースルーは通常と違い、前方で小さくワイパーさせてボールが浮くのを防ぎ、フィニッシュも低くなっている。こちらのほうがアウトやネットのミスが出にくく、アマチュアにも真似しやすいだろう。また、動きっぱなしではなく、このように前への動きにブレーキかけながら打つことも重要だ。
T.アシオンヌの横からフォアハンド・アプローチ

「パッシングショット」>>


(テニスジャーナル 2005年9月号)
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