- 国内最大の総合テニス専門サイトテニス365 - 錦織圭、フェデラー、ナダル、ジョコビッチなどテニスニュース満載。全豪オープン、ウィンブルドン、全仏オープン、全米オープンなどテニス大会特集も！

オムニバス編

Vol.1　大人なショットを身につけよう　上巻

さりげなく決めるボレー＆スマッシュ ①

スピードではなくコースで決める

「ダンクスマッシュ」は意味がない!?

ボレーでは、チャンスともピンチとも言えない微妙なボールを、いかに抜けめなく決めていくかが勝負になる。完全なチャンスボールを派手に決めることが大切なわけではないし、いくら強烈に決めても２ポイント取れるわけではない。

また、アニメ『テニスの王子様』に、高くジャンプして強烈に叩きつける「ダンクスマッシュ」という必殺技があるが、これがけっこう返されたりする。なぜなら、いつも相手がいる場所に打っているからだ。

だが、これはマンガだけの話ではない。アマチュアの試合を観ると、同じ過ちを犯している人が非常に多いからだ。大人のテニスをするには、まずは頭を切り換え、コースで決める発想に変えていくことも大切だ。

「大人っぽいボレー」というのは、スピードではなく、コースで決めるボレーであり、とくにハイボレーでそれができることが大切だ。また、相手が予想していなかったところに打てると、より大人っぽいし、相手に「まいった」と言わせるようなコースに打てれば理想的だ。

技術的にはつなぐボレーの延長

技術的には、プレイの柱になるショットを作ろう　ダブルス編　上巻で解説した「確実につなげるボレー」がベースになる。つまり、腕全体で振るスウィングを身につけ、あとはより厳しくコースを狙う、より深く角度をつけるという方向で技術を磨いていけば良い。

下図や次ページで紹介しているショットも、そうした基本技術の延長線上にあるもので、特別な技術を新たに覚える必要はないわけだ。

角度をつけてボレーする場合、このように小手先でこねるように打つのは禁物。これをやると、当たり損ねのミスが多くなるだけでなく、角度も深さも不安定になって、正確なコントロールができなくなってしまうからだ。手首で角度をつけるにしても、一度決めた手首の形を動かしてはいけない。

完全なチャンスボールをネットのすぐ手前から打つ場合は、左のように叩きこむ打ち方でもまったく問題ないが、このような決め方しかできないとすれば大きな問題になる。ボレーでは、叩けない状況からいかに決めるかが大事になるので、そうした技術を身につけることも必要不可欠だ。

S.グロージャンのフォアハンド・クロスボレー

これは、シングルスでクロスに角度をつけた場面。フォアボレーでは、面だけ作って角度をつけるか、スウィングで運ぶか２通りの打ち方があるが、ここでは、ある程度離れているので、当てるだけでなく、しっかりとスウィングしている。このとき、このように腕全体を一体にした動きができていればスウィングは大きくても良いが、手首を使ってはいけない。