男子プロテニス協会のATP公式サイトは1日、今シーズンの四大大会でのベストマッチを特集。1日には3試合が掲載され、2日には2試合が発表される。
>>【中川 直樹】錦織 圭と西岡 良仁からの刺激が全日本優勝の要因、インタビュー前編<<ATPは新型コロナウイルスの影響を受けた今年のツアーを「テニスファンや選手たちは暗闇と光の季節、希望と絶望の季節を経験した」と形容。春から初夏にかけては前が見えない絶望の時期を過ごしたものの、希望は夏に訪れ、最終的には全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)と全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)の順番が前後したが約1カ月の間に素晴らしい2大会を開催することができた、と掲載した。
今年1月の全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)は山火事の影響で大会開催が危ぶまれたものの、無事開催。ウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)は新型コロナウイルスの影響で中止となったものの、全仏オープンは時期をずらして対応し、全米オープン開催後に行われた。
ATPが掲載した今季の四大大会ベストマッチ5選、最初の3試合は以下の通り。
1)全仏オープン 1回戦
L・ジウスティーノ(イタリア)0-6, 7-6 (9-7), 7-6 (7-3), 2-6, 18-16
C・ムーテ(フランス)予選3試合を勝ち抜き本戦入りを決めた当時28歳のジウスティーノは1回戦で21歳のムーテと対戦。第4セットまではシーソーゲームとなりファイナルセット開始時点で3時間5分が経過していた。全仏オープンは他の四大大会と異なりファイナルセットでも2ゲーム差がつくまで試合を行うこととなっているため、両者はその後3時間をかけファイナルセットを戦った。試合は大会史上2番目の長さとなる6時間5分で終了し、ジウスティーノが四大大会初勝利を果たしている。
試合後にジウスティーノは「完璧な気分だ。明日は試合前に走ってくるよ、そのぐらいフレッシュに戻ってるだろうね」語った。
2回戦では第12シードの
D・シュワルツマン(アルゼンチン)にストレートで敗れ、姿を消している。
2)全米オープン 3回戦
B・チョリッチ(クロアチア) 6-7 (2-7), 6-4, 4-6, 7-5, 7-6 (7-4)
S・チチパス(ギリシャ)この日、チョリッチは第4セットでチチパスに3度のマッチポイントを握られるもののこれを防ぐ粘りを見せると、その後6ゲームを連取しセットカウント2-2に追いつき勝負はファイナルセットへもつれ込む。ファイナルセットのタイブレークではチチパスが2度のダブルフォルトを犯すなど精彩を欠き、4時間36分の死闘の末にチョリッチがベスト16へ駒を進めた。
試合後にチョリッチは「信じられないようなリターンをしたし、最後は少しラッキーだったよ。第3セット、第4セットでは、彼(チチパス)は信じられないようなテニスをしていて、僕にはチャンスがないと感じていた。ファイナルセットのタイブレークは彼にとって簡単にはいかないとわかっていた。だからコート内でボールをキープして、できるだけ多くプレーさせるようにしていたんだ」と語った。
チョリッチは4回戦で
J・トンプソン(オーストラリア)をストレートで破り8強へ進出したものの、準々決勝で
A・ズベレフ(ドイツ)に敗れベスト4へ駒を進めることはできなかった。
3)全豪オープン 3回戦
R・フェデラー(スイス) 4-6, 7-6 (7-2), 6-4, 4-6, 7-6 (10-8)
J・ミルマン(オーストラリア)同大会1回戦と2回戦でストレートをおさめ順当に勝ち上がったフェデラーは、3回戦で地元出身のミルマンと対戦。フェデラーはファイナルセットでミルマンに先にブレークされるも、ゲームカウント2-2に追いつく。その後、10ポイント先取のタイブレークでは4-8とリードされたが、最後はフォアハンドのウィナーを決めて4時間3分の死闘を制した。
この試合の勝利で全豪オープン100勝目をあげたフェデラーだったが、試合後は「とても大変だったよ」と話した。
「結局のところ、僕のプレーは悪くなかったし記者会見で自分のことを説明する準備をしていたんだけど、どんな試合と言えばよいのか。ジョン(ミルマン)はこの試合の半分以上勝利していたと言える」
当時38歳のフェデラーは4回戦で
M・フチョビッチ(ハンガリー)、準々決勝で
T・サングレン(アメリカ)を破り4強入り。準決勝では
N・ジョコビッチ(セルビア)にストレートで敗れ2018年以来2年ぶり8度目となる決勝進出を逃している。
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