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男子テニスツアーのメルセデス・カップ（ドイツ/シュトゥットガルト、賞金総額４５万ユーロ、クレー）は１６日、シングルス２回戦残り６試合を行い、第１シードのＧ・シモン（フランス）が敗れるという波乱の中、ベスト８が出揃った。

この日一番の波乱を演じたのは世界ランク４５位のＭ・ズベレフ（ドイツ）で、同７位のシモンを6-4, 6-2のストレートで下して、ベスト８入りを決めた。父が元ロシア代表のデビスカップ選手だったズベレフは、左利きを生かしたスライスを多用し、時折混ぜるドロップショットでシモンのリズムを崩すと、わずか６６分で勝利を手中に収めた。

４月のＢＮＬイタリア国際男子でもシモンを下したズベレフは「まさにその時と同じような試合だった。勝てる気がしたんだ。彼のプレーは知っているし、ゆっくりしたボールを送り込んで彼に攻撃させたんだ。それでミスを誘ったのさ。今日は全てが思うように行ったよ」と、作戦勝ちに満足気だった。

ズベレフは準々決勝で、Ｍ・バッサロ=アルグエッロ（アルゼンチン）を2-6, 6-3, 6-1の逆転で下したＪ・シャーディ（フランス）と対戦する。

この日もう一人波乱を演じたのが、予選を勝ち上がった同１２７位のＬ・クボット（ポーランド）。同２６位で第５シードのＰ・コールシュライバー（ドイツ）を6-2, 6-4のストレートで倒し、セルビア・オープンでの準優勝以来となる今季２度目の８強入りに成功した。

６本のサービスエースをたたき出したクボットは、第１サーブ時には９０％の確率でポイントを獲得するなど、１度もブレークポイントを握らせなかった。コールシュライバーは「本当にサーブが良かった。全く試合の主導権を握らせてもらえなかった」と、脱帽していた。

４強入りを懸けてクボットは、Ｓ・グロイル（ドイツ）を6-3, 6-4で倒したＮ・キーファー（ドイツ）と顔を合わせる。元世界ランク４位のキーファーは、これが今季初のベスト８入り。

その他の試合では、同１１位で第２シードのＮ・ダビデンコ（ロシア）が主催者推薦のＭ・ベレー（ドイツ）を6-3, 6-3と６５分で退け、順当に８強入りを決めた。シーズン開幕戦で怪我をし、４月まで満足にプレーができずにランキングを下げたダビデンコは、トップ１０返り咲きへ向け、準々決勝ではＦ・フォニュイーニ（イタリア）と対戦する。

フォニュイーニはＰ・Ｈ・マチュー（フランス）と対戦中、6-4, 4-1とリードしたところで、マチューがめまいに襲われ、試合続行不可能のために棄権。フォニュイーニが準々決勝進出を決めた。

今大会の優勝賞金は７万１７００ユーロ。