日本テニス協会強化副本部長でWOWOWテニス解説者の
松岡修造氏が8月6日、都内某所にて27日に開幕する全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)に出場する男子世界ランク21位の
錦織圭の活躍について語った。
>>錦織ら全米OP対戦表<<>>大坂ら全米OP対戦表<<昨年の全米オープンは手首の怪我により欠場した錦織は、今年2年ぶり10度目の出場となる。
「最近で言うとワシントン(シティ・オープン)でのプレーを見ましたが、1番良いですね。本当に良い。最初(1回戦)の試合を見た時点ですぐメールしちゃったくらい。もう試合が終わる前にしちゃいました。何が1番良かったかというと、気持ちが戻ってきました。本当にテニスが好きだった頃の錦織圭、どんなことをしても勝ちたという錦織圭が戻ってきつつある。」と
D・ヤング(アメリカ)との一戦を観戦し、錦織にメールを送ったことを明かした修造氏。
メールの内容については「もう褒めまくりメールですよ。ガッツポーズすごいぞって。強い圭が戻ってきたって。ただ、テニスはまだ完全には戻ってないよねって、それを圭は分かっている。このまま一戦一戦このガッツポーズを作っていけば、必ず本当の自分に会える。」
「彼の1球1球のガッツポーズ。あれは今までの圭じゃないですよ。全米オープンを絶対取るという決意表明のように僕は感じました。彼の出来るテニスからいうと今6、7割。打ってるのが内側なんですよ、全部。ただ、これは全米オープンまでに必ずライン際になってきます。ライン際になったら相手は取れません。この集中力で我慢してやっていけば、これは大会の中でも優勝する可能性があるなって思います。」
過去の全米オープンで錦織は、2014年にグランドスラム初の決勝進出を果たし、
M・チリッチ(クロアチア)に敗れるも準優勝。2016年は準々決勝で
A・マレー(英国)を破り、2年ぶり2度目のベスト4進出を果たした。
「全米は錦織選手にとって1番好きな大会だと思います。今回(シティ・オープン)試合を見てても生き生きしてるんですよ。ボールがイレギュラーしないし、高いところでどんどんハイテンポで打てますし、自分の得意とするコートだと分かってるんですね。」
「圭は13歳からアメリカに来てテニスをしているわけですし、1度は決勝まで行っている、圭にとっては日本の次にホームみたいなもの。あとはコートのバウンドと、ボールの軽さですね。そういうもの全てにおいて錦織選手にピタッと自然にはまっていくんだと僕は思いますね。」と錦織と全米オープンの相性について話した。
今年のグランドスラムで、全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)は
R・フェデラー(スイス)、全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)は
R・ナダル(スペイン)、ウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)は
N・ジョコビッチ(セルビア)の3選手がタイトルを独占している。
今年の全米オープンでの優勝候補について、修造氏は「これは本当にどうなるか分からないですね。僕も予測というのは出来ないです。みんなそれぞれの想いがあるので。フェデラーやナダルは、やっぱり経験と王者として優勝の仕方を知っているんですよね。残念ながら優勝だけは錦織選手は知らないんです。だから早く知ってほしい!グランドスラムを1つでも取れれば、その方法を知ることができ全豪、全仏、ウィンブルドン制覇の可能性が広がる。全く違うレベルのテニスができ始めると僕は思います。」
「やっぱり今でもチャンスになった時に、以前のような攻撃にいけないんです。まだどうしても守ってしまう。本来彼の1番の良さ、「自分から攻めている錦織圭」、それをしてほしい。変な言い方ですけど、守ることがダメだと言っているのでありません。攻めるときに攻め、守るときに守り、ギアを上げるときに上げる。そういった戦術をしっかりと組み立てて戦うのが圭の良さでした。そのすべてを取り戻して自分やぶりをしてほしい。」
続けて、フェデラー、ナダル、ジョコビッチと錦織の差について「一番の違いはグランドスラム優勝経験があるかないか。グランドスラムで勝つという自信は1番大きな差だと思いますね。錦織選手が気を付けなければならないのは、周りが「まただめかもしれない」、「勝てないんじゃないか」というイメージで持たれてしまうこと。イメージほど怖いものはないですよ。植えつけられてしまうから。」
「特に錦織選手はそういう声に対して、「違うぞ!」ととことん自分自身を信じることができるかというと、そうではないと思います。そういうものとも戦わなければならない。」と分析した。
今大会で錦織が優勝する確率を問われた修造氏は「それは分かりません。冷静に考えれば、フェデラー、ナダル、ジョコビッチでも、5割以上あげる人はいないと思います。それぐらい誰が勝つか分からない。」
「その中でも圭は2~3割あると思います。これってすごく高い数字なんですよ。普通20%と聞いたら低いと捉えますが、今の状況を見た中で2~3割であれば僕としては高いと思います。圭のように(「圭」と漢字を書きながら)試合中にその確率をプラスしていく、これしかないと思いますね。それが出来るのは錦織圭しかいないです。」
「経験も踏まえたら、良い時も悪い時も全ての全米オープンを知っているはずですから、楽しみって言葉をあまり使いたくないんですけど、僕もワクワク感が凄いです。」と錦織の活躍に期待を寄せた。
8月27日開幕の「全米オープンテニス」をWOWOWにて連日独占生中継!大会第1日(8月27日夜11:55~、WOWOWプライム)、大会第5日ナイトセッション(9月1日午前7:30~、WOWOWライブ)は無料放送!
【放送予定】
8月27日(月)~9月10日(月)
■詳細・配信スケジュールはこちら>
■関連ニュース
・錦織 全米OP初戦を警戒・錦織「30歳までに優勝したい」・重圧を告白、大坂は全米へ■おすすめコンテンツ
・錦織掲示板・選手フォトギャラリー・世界ランキング・スコア速報