ニューヨーク・タイムズ紙は8日、テニスの全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)男子シングルス準々決勝で第2シードの
A・マレー(英国)を1-6, 6-4, 4-6, 6-1, 7-5のフルセットで破った第6シードの
錦織圭(日本)を、最先端のテニスをしていると高く評価した。
7日、錦織は優勝候補のマレーを3時間58分の激闘の末に下し、2年ぶり2度目のベスト4進出を果たした。
ニューヨーク・タイムズ紙は錦織の勝利を「Kei Nishikori Takes a New Approach and Solves Andy Murray(マレーを倒すために、錦織が新しい戦術を実行)」と題し、IBMのスタッツデータで分析。
ベースラインで戦うと、相手に決定的な差をつけられない。現代のテニスはショートラリーを多く制する選手が勝つと掲載し、錦織はそれをマレーとの準々決勝で行った。
ラリー戦の基準として、0-4ショットはショートラリー、5-9はミディアムラリー、9ショット以上はロングラリーで分けられている。
第4セットからプレーの選択肢を増やし始めた錦織。ファイナルセットではサーブ・アンド・ボレーを5回中3回、アプローチ・ショットは11回中7回をポイント獲得。サーブ・アンド・ボレーとアプローチ・ショットの数を合わせると16回。
錦織のファイナルセットでのトータルポイントは40で、サーブ・アンド・ボレーとアプローチ・ショットの16は半分以下の数字。しかし、第4セットから戦術を変え、読めない・何をしてくるかわからないという心理戦でアドバンテージを握った錦織のプレーが素晴らしいと、ニューヨーク・タイムズ紙は報じている。
準々決勝を終えた時点で錦織のサーブ・アンド・ボレーのポイント獲得率は76パーセント、ベースラインでは54パーセント。また、大会に出場した選手達のサーブ・アンド・ボレーのポイント獲得率の平均は3分の2、ベースラインは47パーセント。
つまり、ベースラインで戦うのではなく、サーブ・アンド・ボレーを取り入れることが重要になる。
2年ぶり2度目の全米オープン決勝進出をかけて錦織は、準決勝で第3シードの
S・ワウリンカ(スイス)と対戦する。
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