テニスの全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)は大会初日の22日、男子シングルス1回戦が行われ、第17シードの
N・キリオス(オーストラリア)が世界ランク124位の
M・チェッキナート(イタリア)を7-6 (8-6), 7-6 (8-6), 6-4で下し初戦突破を果たしたが、この試合でキリオスは主審と口論になる一幕があった。
>>全仏オープン対戦表<<それは接戦となった第1セットのタイブレークで起きた。キリオスは大声でボールボーイにタオルを要求したが、主審のC・ラモスはその行為が強引すぎと判断し、スポーツマンらしかなぬ行為と受け止めてキリオスに警告を科した。その判断を不服とした21歳のキリオスは主審と口論となり、その判断は自身への偏見からだと主張し、しばし試合が中断された。
しかしながら、再開された試合でキリオスは、冷静にプレーを続けるとタイブレークを制し第1セットの先取に成功した。
「大きな妨げにならずに済んだ。」とキリオスはラモス主審との口論について語った。「自分のような人間にとってはとても感情的になってしまい、イライラしてしまうかもしれないが、今回は上手く対処できたと感じている。」とその時の状況を振り返った。
キリオスはボールボーイに向かって叫んだのは、「観客の声が大きすぎて自分の声がボールボーイに聞こえないと思ったからだ」と説明していた。
するとラモス主審は「君がタオルと大きな声で叫んだ事に警告したのではない。君の言い方に対して出した警告なんだ。」と判断の基準を説明していた。
そしてキリオスは、全仏オープン前哨戦として2週間前に開催されたBNLイタリア国際で、世界ランク1位の
N・ジョコビッチ(セルビア)が試合中に、クレーコートに残ったボールマークを確認しにきた審判の腕を掴んだ出来事を引き合いに出し「ジョコビッチがラインパーソンの腕を掴んで払いのけた時は、何も主審からは言われなかった。」と今回の主審の判断に不満を表していた。
試合後に開かれた記者会見でキリオスは引き合いに出したジョコビッチの事を問われると「この部屋にいる全ての人が分かると思うが、あれをジョコビッチではなく自分が行ったら、大騒動になっていたはず。でもジョコビッチだと何も問題にならなかった。それが物語っている。」と自分への偏見があったと答えていた。
同時に、試合中の主審の判断は「簡単なものではない」としながら、もう少し柔軟な対応を望んでいた。
キリオスはこれまで、
R・ナダル(スペイン)や
R・フェデラー(スイス)から勝利を飾ったり、グランドスラムでも2度のベスト8入りを果たすなど、テニスで話題になりながらその乱暴な行為でも有名になっていた。
昨年8月のモントリオールでのマスターズ大会の時には、昨年の全仏オープン覇者である
S・ワウリンカ(スイス)との試合中にワウリンカへ放った暴言に対して、28日間の出場停止処分に代わり執行猶予を与えられる騒動を起こしていた。
(STATS - AP)
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