男子テニスツアーのロジャーズ・カップ(カナダ/モントリオール、ハード)は12日に行われたシングルス2回戦で、第3シードの
S・ワウリンカ(スイス)が
N・キリオス(オーストラリア)と対戦し、7-6 (10-8), 3-6, 0-4の時点で途中棄権を申し入れ敗退した。この試合ではキリオスの発言に対して罰金が科されることが決まった。
男子プロテニス協会のATPは、キリオスが試合中にワウリンカに対して侮辱的な発言があったことを認め、金額は明かされてはいないものの罰金を科したことを明らかにした。詳細はキリオス本人に通告してから発表するとしている。
ワウリンカは木曜日に自身のツイッターで協会へ素早い行動を起こすよう要求するコメントしていた。
水曜日の夜に行われたその試合で、コートサイドに設置されたマイクがキリオスの発言を拾っていた。キリオスは同胞の
T・コキナキス(オーストラリア)がワウリンカのガールフレンドと言われている女子選手と関係を持ったとワウリンカに告げていた。
ワウリンカはツイッターで「こんな言動はコート上でも外でも必要のないもの。ATPはこんなことを許すようなことがあってはならない。」と、つぶやいていた。
20歳のキリオスの発言をワウリンカは「受け入れがたいだけではなく、信じがたいこと」としている。
キリオスは自身の公式フェイスブックで謝罪をしていた。
「自分が発してしまったコメントは、ヒートアップしていた瞬間のもので、どんな状況でもあってはならないものだった。自分の行動は全て自分に責任があり、今回のことはとても後悔している。」と、自身の気持ちを綴っていた。
ATPのルールブックには、暴言を吐いたり、スポーツマンらしからぬ行為に対しては、最大1万ドル(約124万円)までの罰金が許されている。
30歳で現在世界ランク5位のワウリンカは、4月に離婚したことを公にしていた。妻との間には娘が1人いる。その後は女子プロテニス選手で世界ランク127位の19歳
D・ヴェキッチ(クロアチア)との交際が伝えられていた。
世界ランク76位でヴェキッチと同じ19歳のコキナキスは、2014年の全豪オープンでヴェキッチとペアを組んでミックスダブルスに出場していた。
ワウリンカは第3セットでキリオスに0-4とリードを許した時点で、腰の怪我を理由に棄権を申し入れて敗退している。
試合後に行われたオンコート・インタビューでキリオスは、ワウリンカが自分を挑発してきたと語った。
「彼(ワウリンカ)が自分に対して段々むかつくようなことを言ってきたから、自分でも分からないけど、とっさに出てしまったものだった。本当に分からないが、ただ言ってしまったんだ。」とコメントしていた。
ワウリンカのコーチであるM・ノーマン(スウェーデン)も、ここ数週間批難されることが多かったキリオスの今回の行いに対して批判していた。
「キリオスは本当に低俗だった。周りの人間が1つや2つ今夜のことについて教えてくれることを願うよ。とても良からぬことさ。」と、自身のツイッターに記していた。
今季3度目のグランドスラムであるウィンブルドンでキリオスは4回戦で
R・ガスケ(フランス)に敗れたが、その試合中にキリオスは観客からブーイングを浴びる場面があった。
第2セットでキリオスは、主審と口論になったその後再開された第3ゲームのガスケのサービスゲームでは、明らかにキリオスはリターンをしようとしなかったプレーが見受けられたからだ。
この出来事を受けて、地元オーストラリアのかつての偉大な水泳選手だったD・フレイザーが、キリオスの人間性を問う発言をすると同時に、キリオスは国を出て両親が生まれた国へ戻るべきだと発言していた。
オーストラリアで生まれたものの、父親はギリシャ、母親はマレーシアの出身であるキリオスはのちにツイッターで、フレイザーは人種差別主義者だと批判していた。その後フレイザーは謝罪をしていた。
(STATS - AP)
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