男子テニスで世界ランク3位の
R・フェデラー(スイス)は19日、22日から開幕する全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)を欠場すると明らかにした。
グランドスラム歴代最多17度の優勝をしているフェデラーは、今回の欠場で2000年の全豪オープンから続いたグランドスラム65回連続出場の記録に終止符が打たれる。
2月に膝の手術を受けたフェデラーは、4月初旬のモンテカルロ・ロレックス・マスターズ(モナコ/モンテカルロ、レッドクレー、ATP1000)で復帰するも、その後は腰の痛みに悩まされ、思うように大会へ出場出来ずにいた。
「残念な報告をしなければならない。今年の全仏オープンを欠場する決断をした。体の状態は順調に回復してはいるけど、まだ100パーセントではなく、そんな状態で出場して再び悪化させてしまうという不必要な危険を犯したくはないと感じている。」と34歳のフェデラーは、自身の公式ウェブサイトに声明を出した。
既に大会開催地であるパリへ訪れているフェデラーは、腰の状態を確かめるためにレッドクレーでの練習を行っていた。先週のBNLイタリア国際男子(イタリア/ローマ、レッドクレー、ATP1000)に出場したフェデラーだったが、3回戦でD・ティエムにストレートで敗退。
その前週に行われたムチュア・マドリッド・オープン男子(スペイン/マドリッド、レッドクレー、ATP1000)は腰の痛みのために欠場していた。
フェデラーが最後にグランドスラムの本戦に出場しなかったのは、1999年の全米オープンで、その時は予選敗退を喫していた。
「パリで楽しみに待っていてくれたファンの方々には本当に申し訳ない。でも、2017年のローラン・ギャロスには必ず帰って来ることを楽しみにしている。」
そう語るフェデラーは、昨年の全仏オープンでは準々決勝で
S・ワウリンカ(スイス)に敗れた。
これまで88度のツアー優勝を誇るフェデラーは全仏オープンで2009年に唯一優勝を飾っており、同時に生涯グランドスラムを達成している。
フェデラーは2月に左膝の軟骨を修復するために内視鏡手術を受け、2カ月以上ツアーから遠ざかっていた。そして出場したモンテカルロ・マスターズでは準々決勝で
JW・ツォンガ(フランス)に敗れるも、そこまでの勝ち上がりに満足していた。
しかし、その後に痛めた腰の怪我は、より深刻なものになってしまった。
「今回の決断は、簡単なものではなかった。でも、その決断へ至ったのはツアーをしっかり戦うためで、自分の今後のテニス人生をより長くするためだった。」
「今でも高いモチベーションを持ち続けているし、すぐに訪れる芝のシーズンでのATPツアーへの復帰へ向けて、万全の体調にすることが今の1番の目標。」とフェデラーは、今の気持ちを述べた。
全仏オープンを欠場することで休養と回復、そしてフェデラーが持つ史上最多となる7度優勝したウィンブルドンへの準備、更にリオ・オリンピックへ向けての準備にもより多くの時間が持てることになる。
フェデラーの欠場から、全仏オープン9度の優勝を誇る
R・ナダル(スペイン)が第5シードから第4シードへと繰り上げとなる。つまりそれは、第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)と準々決勝で対戦する可能性を避けられる。男子シングルスのドローは現地20日に決定され、試合は22日からスタートする。
(STATS - AP)
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