国際テニス連盟(ITF)のD・ハガーティ会長は20日、通常のドーピングに関する事案では2・3カ月を要するが、
M・シャラポワ(ロシア)のドーピング事案への懲戒委員会の日取りが決められ、ウィンブルドンが始まる前には処分が下されるであろうと発表した。
ハガーティ会長は同時に、協会の反ドーピング裁判所からいつどこで懲戒委員会が開かれるかを含めた詳細は伝えられていないという。
シャラポワは1月に行われた全豪オープン期間中に受けた検査で禁止薬物であるメルドニウムの陽性反応が出たことを自身の口から3月8日に公にし、その後暫定的に試合への出場が禁止されている。
シャラポワが語ったところによると、血液の循環を促進される作用があるメルドニウムを2006年から処方されていたという。そして、そのメルドニウムが今年の1月1日から世界反ドーピング機構(WADA)が新たに禁止薬物に指定した事を認識していなかったと語っていた。
ロシアのテニス関係者は、8月に行われるリオ・オリンピックにシャラポワを出場させたい意向があるという。
メルドニウムがどれくらいの期間アスリートの体内に残るかが定かではないと発表された先週に、各スポーツ機関へ新しいガイドラインがWADAから伝えられはしたものの、判決が出るまでに取られたシャラポワへの暫定的出場禁止処分は解除されないだろうと言われている。
これまで約200人のアスリートにメルドニウムの陽性反応が出ており、そのアスリート達からは禁止された1月1日以降にメルドニウムを摂取していないと主張していた。
ハガーティ会長は、シャラポワの事案は更なる公聴が必要と語る。
WADAのO・ニグリ会長は「彼女(シャラポワ)の場合、彼女のメルドニウムが検出された量からして、問題にさえならない。」と今週語っていた。
昨年ITF会長に就任したハガーティ会長は、協会と協会の厚生委員会が今回の事案に対しては、より明確なコミュニケーションが必要であるとも語っていた。
19日には、2015年の全米オープンなどでも主審を務めたクロアチアの審判員に10年間の禁止処分を下した事が公にされた。実はその審判員はこれまでも1年間の処分が下されていたが、その事は公にされていなかった。
「我々は全ての事を公にしているわけではないという事が、その事から分かったと思う。」とハガーティ会長は述べていた。
八百長の可能性がある事案について、テニス不敗防止委員会は今年最初の3カ月で40例を越える不可思議な賭けへの警告を受けていたとハガーティ会長は語る。
ハガーティ会長は5月4日にはリオへ行く予定になっている。それはテニスコートのサーフェースや会場の照明などを含めた建築中でまだ終えていないオリンピックへの準備を査定するために訪れる。
「ナイトマッチをするのに照明がなかったら、それは問題になってしまう。照明もこれから設置される事になっている。」とハガーティ会長はオリンピック会場の準備が進んでいることをアピールしていた。
(STATS - AP)
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