男子テニスツアーのBNPパリバ・オープン男子(アメリカ/インディアンウェルズ、ハード)に第2シードで出場している
A・マレー(英国)は、
M・シャラポワ(ロシア)の発表を受けて、自身に関係している知らせは全て注意深く読んでいるとの反応を見せながら、今回の出来事に強固な姿勢を示した。
シャラポワは7日に開いた会見で、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が今年から新たに禁止薬物に追加されたメルドニウムの陽性反応が出たが、このことはWADAから禁止薬物の新しいリストを添付されたメールを読まなかったことから起きてしまい、今回の出来事を自身の多大な過ちだったと語っていた。
マレーは大会会場での会見で「当然、みんなそれぞれ違う。回りの人やチームに多大な信頼を置いている人もいるから、何が正しいかなど人それぞれ。だが、医師やトレーナーが言うことだけを信用しないで、体に取り入れる物の全てを把握するのも仕事の1つだと思っている。」と語っていた。
マレーは同時に、シャラポワの会見後にメルドニウムについても調べているとし、彼が学んだことから考えて、アスリート達の服用に疑問を抱いているという。
「このような話は常々起きていること。ほぼ毎週のように起きているように思える。だから、ショッキングなことだとは言えない。」
「あれから出来るだけ調べて、実際何が起きたのか理解しようとしている。今年の1月1日以降、55人のアスリートがメルドニウムで陽性反応が出ているという。それほどまで世界のトップアスリートが心臓に問題をかかえているとは思えない。」
アメリカ国内では認可されていないメルドニウムは、東ヨーロッパや旧ソビエト連邦に属していた国々で、心臓疾患に広く用いられている薬である。しかしそれが禁止薬物に指定されたのは、酸素の吸収性を高め、効果の持続性も高める効果が認められたからだった。
ブリティッシュ・ジャーナル誌のスポーツ医学部が最近発表したレポートによると、昨年行われたヨーロッパ選手権では500人あまりの選手がメルドニウムを使用しており、66件のケースでメルドニウムの陽性反応が出ていたとされている。
「この報告から、健康なアスリートにも普通に処方箋が必要とされる薬が、広範囲で不当に使用されていたことが伺える。」とリサーチを行った研究者は意見を述べていた。
マレーは、そのことは単にメルドニウムを禁止しただけの問題ではないと感じている。
「必要もないのに、処方箋が必要な薬をただそれが禁止薬物ではないから摂取しているというのは間違っていると思う。そのような薬が、本来の目的ではなく摂取されているのは、必要なことではなく、パフォーマンスを高める効果を期待して使用しているだけ。」とマレーは強い口調で語っていた。
今回もそのようなケースであるとし、マレーは処分が明らかであると感じており「パフォーマンスを高めるであろう薬物を摂取しているのであれば、そして同時に検査で陽性反応が出てしまったら、処分が下されるのは当然のこと。」と強固な姿勢を見せていた。
(STATS - AP)
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