テニスのグランドスラムで5度の優勝を誇る
M・シャラポワ(ロシア)は7日に禁止薬物の陽性反応の事実を公にしたが、ラケットのヘッドが10日にシャラポワを応援して契約を継続すると発表した。
オーストリアに拠点を置いているヘッドは、シャラポワがドーピング検査で禁止薬物の陽性反応が出たことを発表した3日後に、スポンサー契約を継続する決断を下したと明らかにした。
ヘッドのJ・エリアシュ会長は、シャラポワが常用していた薬が禁止されてからも服用し続けてしまう「明らかなミス」を犯してしまったと語るも「マリア(シャラポワ)は故意に自身の能力を高めたり、不正に有利に働く目的で使用した証拠はない。」と話した。
続けて「マリアをサポートすることに誇りを持っており、今もこれからも契約を継続するつもりでいる。彼女との関係を続け、新たな契約を交わすことに期待している。」とエリアシュ会長は述べた。
スポーツ用品の大手であるナイキ、スイスの時計メーカーのタグホイヤー、そしてドイツの高級車メーカーのポルシェを含むスポンサー契約をしている数社は、1月に行われた全豪オープン期間中に受けた検査で、今年から新たに禁止薬物に指定されたメルドニウムの陽性反応が出たことを公にしてからすぐに、世界で最も高い収入がある女性アスリートのシャラポワとの契約を停止する決断を下していた。
21週に渡り世界ランク1位に君臨していたシャラポワは、昨年1年間で2,950万ドル(約33億4,000万円)を稼ぎ、その大半がスポンサー契約などオフコートでのものだった。シャラポワはこれまで35度のシングルス優勝を誇り、生涯獲得賞金は3,600万ドル(約41億円)にのぼる。
シャラポワが語ったところによると、メルドニウムを様々な健康上の理由から約10年間に渡って服用しており、12月に送られた新たな禁止薬物のリストが載っていたメールのリンクをクリックせず見逃してしまった。シャラポワは長期に渡る出場停止処分が下されると見られており、この夏に開催されるリオ・オリンピックにロシアを代表して出場する可能性が絶たれると考えられる。
エリアシュ会長は「彼女はこれまでも、そして今でも自身が述べたように健康面での問題に対処している。2016年に入る前は、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が禁止している薬物や、不正な薬物をテニス人生で摂取したことは一度もなかった。」とシャラポワを弁護していた。
また、シャラポワが服用していたメルドニウムの量はパフォーマンスに影響を及ぼすほどのものではない少量であり「我々は正直な過ちとして受け止めている。」と語った。
シャラポワが服用していた量は「明らかにパフォーマンスを向上させるレベルにはほど遠いもの。」であると続けていた。
「彼女が見せた、自身の過失を公表し、認めたことへの誠実さと勇気は称賛に値する。マリアは過ちを犯してしまったかもしれないが、我々は彼女との契約を継続する。」と今回の契約継続の決断理由を述べていた。
(STATS - AP)
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