女子テニスで世界ランク1位の
S・ウィリアムズ(アメリカ)は8日に行われたマディソン・スクエア・ガーデンのエキシビションのプロモーション会見で、
M・シャラポワ(ロシア)が7日に禁止薬物の陽性反応が出たと発表したことに対し、自身の過失を認めたことに驚きとショックを受けたと同時に多大な勇気を見せたと語った。
シャラポワは、1月に行われた全豪オープンの準々決勝で女王のセリーナに敗れた直後に受けた尿検査で禁止薬物の陽性反応が出ていた。そのことを公にした7日の記者会見では自身の過失を認め、責任は全て自分にあると語っていた。
21度のグランドスラム優勝を誇るセリーナは「多くの人が彼女(シャラポワ)があのように正直に公の場に姿を現したことに対しては嬉しく思っていたはず。そして、彼女は自分がしたことや年末に届いたメールのリストを見なかったことなど、全てを正直に語る勇気を多大に見せた。」とシャラポワについてコメント。
シャラポワは会見の席で、メルドニウムという禁止薬物の陽性反応を公にしていた。そのメルドニウムは、血液の循環を良くする効果がある薬で、自身が抱えていた健康面の問題に対してこの10年間服用していたことも公表していた。
メルドニウムは酸素の吸収を高め効果を持続される作用があることから、今年の1月1日から新たに禁止薬物に指定された。そして全ての選手に世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が昨年の12月にその変更を知らせるメールを送り、シャラポワはただ単に、その新しい禁止薬物のリストを表示するリンクをクリックしなかったと語っていた。
シャラポワは国際テニス連盟(ITF)から長期に渡る出場禁止処分が下されるだろうと考えられている。そうなると今シーズンの活動はもちろん、この夏に行われるリオ・オリンピックへの出場の可能性も断たれる。
セリーナは「ただ責任を取るということ。そして、それは彼女がしたいと思っており、する準備も出来ていることを認めている。そんな状況に陥ってしまった人に対して、最善のことを願うだけ。」と自身の想いを語った。
シャラポワとセリーナは過去に攻撃的な発言を交わしていたが、8日のセリーナは全面的にシャラポワを弁護していた。セリーナにとってシャラポワは、これまでの成績や5度のグランドスラム優勝などを考慮しても最大のライバルの1人でもあるが、この10年間の18度の対戦ではセリーナが勝利を飾っている。
「マリア(シャラポワ)は自身が語るように、責任を取ることに準備は出来ていることを示していた。多大な勇気と、大きなハートを見せた。これまでも彼女が行ってきたこと全てに対して、そんな勇気やハートを常に示してきたと思っている。そして、今回のことも全く同じ。」とセリーナは続けていた。
また、シャラポワの大型スポンサーの1つであるナイキが契約を停止したが、同じくナイキをスポンサーに持つセリーナは、そのことに関してのコメントは控えていた。
(STATS - AP)
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