女子プロテニス界を代表する
M・シャラポワ(ロシア)は7日、アメリカのロサンゼルスで開いた記者会見で、自身が全豪オープン期間中に受けた薬物検査で禁止薬物の陽性反応が出たことを公表した。
その禁止薬物はメルドニウムという薬で、今年の1月1日から禁止薬物に指定されたばかり。今年に入ってから多くの分野でのアスリートがこの薬での陽性反応が出ている。
シャラポワ同様、7日にそのメルドニウムの陽性反応が出たことを公にしたのが、世界でもトップクラスのアイスダンサーであるE・ボブロバだった。
元ヨーロッパ・チャンピオンであるボブロバは、2014年の冬季オリンピックのロシアの金メダル獲得チームの一員でもあった。ボブロバは地元ロシアのメディアに対して、今回の陽性反応には大きなショックを受けていると語った。
先月にはロシア出身の自転車競技選手であるE・ヴォルガノフも同じ薬での陽性反応が出ていた。
ロシア人選手以外でも、2月にスウェーデンのメディアが伝えたところによると、1,500メートル走の元世界チャンピオンのA・アレガウィもメルドニウムの陽性反応が出た。その他、ウクライナのバイアスロンの冬季オリンピック選手2人も陽性反応が出ていた。
ミルドネイトとしても知られているメルドニウム。この薬を製造しているラトビアのグリンデクス社が語るには、メルドニウムは心臓疾患や血流の循環器系の問題を抱えている人に、より身体的な許容範囲を広げ、精神的な機能の向上を助ける働きがあるという。健康な人にも似たような効果が認められるとも語っていた。メルドニウムが禁止されたのは、酸素の吸収を高め効果を持続される作用があるからとされている。
メルドニウムは主に東ヨーロッパや元ソビエト連邦で広く使用されており、特に心臓疾患の患者に飲まれている。この薬はオンラインで販売されていると同時に、マイナーなアスリート達には禁止になる前に広く摂取されていた傾向がある。
昨年の10月、アメリカに基盤を置く健全な競技を目指すパートーシュップ・フォー・クリーン・コンペティション(PPC)や反ドーピング・グループは、8,300の尿検査のサンプルのうち、182のサンプルからメルドニウムが検出されたとPPCが関わった検査で明らかになったことを明らかにしていた。
世界アンチドーピング機構(WADA)は、昨年の9月に2016年1月1日からメルドニウムを禁止薬物にすると発表する前に、メルドニウムの効果について検査をしていた。
WADAは禁止する3カ月も前から公式ウェブサイトで公表しており、同時にロシア反ドーピング・エージェンシーからも発表されていた。
シャラポワはWADAからメルドニウムを2016年のシーズンから禁止薬物にすると記載したメールを受け取ってはいたが、その時は詳しくメールを読まなかったと語っている。シャラポワはこの10年あまり、数々の健康問題のために薬を飲んでいたことを明かしていた。
(STATS - AP)
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