テニスのグランドスラムである全豪オープン(オーストラリア/ メルボルン、ハード)の男子シングルスでタイトルを獲得した世界ランク1位の
N・ジョコビッチ(セルビア)は、全仏オープンでの優勝を目標に、四大大会連続優勝を「ジョーカー・スラム」と名付けると、1日に語っていた。
>>全豪オープン対戦表<<今回の優勝でグランドスラムでの優勝回数を11へ伸ばしたジョコビッチだが、そのコレクションに1つだけ欠けているものがある。
「全仏オープンさ。あれだけはまだ優勝に至っていない。」と決勝戦の翌日に語った。
「そのトロフィーを獲得するために自分自身にしっかりした準備をしていきたい。」と既にジョコビッチの目は全仏オープンが開催されるパリへと向いていた。
ジョコビッチの執拗なテニスへの欲望は、自身のレベルを高いものへと導いている。その証拠に、31日に行われた
A・マレー(英国)との決勝も6-1, 7-5, 7-6 (7-3)のストレートで退けての勝利だった。
世界ランク2位のマレーは、全豪オープンでこれが5度目の決勝だったが、そのいずれも敗れ準優勝に終わっている。その敗戦のうち、4度はジョコビッチに屈していた。
全豪オープンがまだオープン化される前の1960年代に、R・エマーソン(オーストラリア)が記録した6度の優勝に並んだジョコビッチ。昨年も男子テニス界で他を圧倒する強さを見せ、全豪オープン、ウィンブルドン、全米オープンの3大会で優勝するなど、テニス史上で最も好調なシーズンの1つに数えられた。
そして、唯一優勝を飾れなかった全仏オープンは
S・ワウリンカ(スイス)に敗れはしたものの準優勝。これは全仏オープンでの3度目の準優勝だった。
「毎年、全仏オープンへ戻ると、一歩前進していると感じている。」と、ジョコビッチは決勝後に受けたテレビのインタビューで語っていた。
また、全仏オープンで優勝を飾ると昨年のウィンブルドンからグランドスラム4大会連続での優勝となる。
女子で昨年それを果たした(2014年の全米オープンから2015年のウィンブルドンまで)
S・ウィリアムズ(アメリカ)が「セリーナ・スラム」と名付けていたのに対し、何と名付けるかと問われ「ジョーカー・スラムかな。悪くない。気に入った。」と、自身のニックネームである「ジョーカー」を取り入れて名付けていた。
「この15カ月ほどは、人生において最高のテニスが出来ているのは間違いない。結果もそれを物語っている。今はただ、今後もそれを続けていこうと努めるだけ。」と見据えていた。
これでグランドスラムの優勝回数を11度にしたジョコビッチは、
R・ナダル(スペイン)の14度、
R・フェデラー(スイス)の17度へ向かって前進している。
世間で「BIG4(ビッグ4)」と呼ばれているのがフェデラー、ナダル、マレーそしてジョコビッチだが、近年のジョコビッチの勝率を見るとそのバランスは徐々に崩れているように見受けられる。
ジョコビッチはその他の3選手との対戦成績を、フェデラーとは23勝22敗、マレーとは22勝9敗、ナダルとも24勝23敗と、いずれも勝ち越している。
今年の全豪オープン準決勝でもフェデラーをセットカウント3-1で下してマレーとの決勝へ進出した。
ナダルに至っては1回戦でまさかの敗戦を喫し、グランドスラムで優勝を飾った日々は過去のものになってしまったのかと疑問を抱かせていた。ナダルは昨年、2004年以降初めて1度もグランドスラム優勝がなかったシーズンとなっていた。
大会期間中、ジョコビッチは世界ランク1位にいる自身とそれ以下の選手とのギャップが広がっているのではと繰り返し尋ねられていた。決勝戦後に行われた記者会見の席ではその質問に「丘を駆け上がっている狼は、丘の頂点で立ち止まっている狼よりハングリーなもの。」との例えで答えていた。
「毎週、色んな大会に出場して、世界1位を目指して戦っている全ての選手は、その目標へ向かってとてもハングリーであると信じている。この優勝をエンジョイしたいと思っているし、そうしようとも思っているが、それはほんの数日のこと。それからは、残りのシーズンで出場する大会で、どうやって好調なプレーを続けられるかを既に考え始めている。」
その例え話を用いて、パリでその狼がどれくらいハングリーなのかと問われたジョコビッチは「非常にハングリー。でも、パリへ辿り着くまでに狼は色々な食事をとらなければならない。パリはデザートかな。」と、全仏オープンまでにも様々な優勝を狙っていることを示唆していた。
(STATS - AP)
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