国際テニス連盟であるITFが23日に発表したところによると、11月27日から29日にかけて行われる男子国別対抗戦デビスカップの決勝戦は、インドアのクレーコートで行われることとなった。その決勝戦はベルギーがイギリスを招いて行われ、イギリスのエースの
A・マレー(英国)が最も苦手といわれるサーフェスを選択した。
その決勝戦は、ベルギーのヘントにある1万3000人収容の多目的施設であるフランダース・エクスポでインドアのクレーコートで行われる。
先週末、スコットランドのグラスゴーで行われた準決勝でオーストラリアを3勝2敗で下したマレー率いるイギリスは、その3勝の全てをマレーがあげており、イギリスを37年ぶりの決勝戦へと導いた。同時にベルギーもアルゼンチンをブリュッセルで3勝2敗で退けた。両国の決勝戦は実に1904年以来の対戦となる。
決勝戦のホスト国であるベルギーが会場とサーフェスの選択権を持つ。そのためベルギーはクレーコートを選択し、マレーの勢いを弱めようとする意図が見られる。これまでのマレーの活躍のほとんどが速いハードコートや芝のコートでのもの。
マレーはグランドスラムでも2012年の全米オープンと2013年のウィンブルドンで優勝しているが、クレーコートで行われる全仏オープンではベスト4進出が最高成績となっている。
マレーはその発表を受け自身のツイッターで「デビスカップ決勝戦は、ヘントのクレーコートか。ワクワクするね。クレーは我々にとって良いサーフェスさ。楽しみだ。」とつぶやいていた。
デビスカップの決勝戦は、イギリスのロンドンで行われる今季獲得ポイント上位8選手のみが出場出来る男子ツアー最終戦であるATPワールドツアー・ファイナルズの翌週末に開催される。
マレーは20日、もしベルギーがクレーコートを選択したら、速いインドアのハードコートで行われる最終戦を欠場し、デビスカップの決勝戦への準備に時間を費やす可能性を示唆していた。
男子プロテニス協会会長のC・カーモードは、ATPワールドツアー・ファイナルズは、出場が義務付けられている大会であり、マレーも出場しなければならないと発言していた。
「出場権を獲得した選手は、怪我などを除いて全員出場しなければならない大会である。マレーはここまで素晴らしいシーズンを送っており、シーズンを締めくくる最終戦へ出場出来る世界のトップ8にしか与えられない出場権を既に獲得している。」とカーモード会長は語る。
そして「彼(マレー)が万全の状態なら今年の最終戦に必ず出場すると期待している。正式に欠場するとは聞いていないから、最終戦へ出場してくれると願っている。」と自身の気持ちを述べていた。
世界ランク3位のマレーは、6月に行われた全仏オープンの準決勝で
N・ジョコビッチ(セルビア)に敗れて以来、クレーコートでプレーをしていない。クレーコートはマレーにとって苦手なサーフェスと言われていたが、今年の春のヨーロッパでのクレーコート・シーズンではミュンヘンとマドリッドで優勝し、初めてクレーコートでのタイトルを獲得している。
ベルギーは世界ランク15位の
D・ゴファン(ベルギー)と同ランク59位の
S・ダルシス(ベルギー)がチームを牽引する。
マレーはシングルスに加え、実の兄の
J・マレー(英国)と組んでダブルスにも出場すると考えられている。イギリスはその他、
J・ワード(英国)、
K・エドモンド(英国)、
D・エヴァンス(英国)らによってチームが構成される。
イギリスが最後にデビスカップで優勝したのは1936年にまでさかのぼるが、ベルギーはこれまでデビスカップでの優勝経験はない。
(STATS - AP)
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