男子テニスツアーのロジャーズ・カップ(カナダ/モントリオール、ハード)は15日、シングルス準決勝が行われ、第4シードの
錦織圭(日本)は第2シードでBIG4の一角である
A・マレー(英国)に3-6, 0-6の完敗を喫し、自身2度目となるマスターズ大会での決勝進出とはならなかった。
左足の負傷により棄権を余儀なくされた悪夢のウィンブルドンから約1ヵ月後、錦織は完全復活を果たした。シティ・オープンで今季3度目の優勝、キャリア通算10勝目をあげ、世界ランキングでは自己最高タイの4位へ返り咲く。
勢いに乗った状態で挑んだ今大会、初戦となる2回戦で
P・アンドゥハル(スペイン)、3回戦で第13シードの
D・ゴファン(ベルギー)、そして準々決勝では過去7連敗していた第7シードの
R・ナダル(スペイン)から初白星をあげ、圧倒的な強さで大会初となるベスト4進出を果たす。
準決勝では2試合連続BIG4となる第2シードのマレーと対戦。前日のナダル戦で最高のテニスを披露していた錦織に大きな期待が寄せられていた。
しかし、第1セットの終盤でチャンスボールをミスしてから錦織の勢いは失速し始め、ナダル戦のような勢いが見られなかった。第2セットに入っても試合の流れを掴めない錦織は、このセットで1つもゲームをとれず、最後マレーのバックハンドのボールを追いかけずに見送ってゲームセットとなった。
試合終了直後、好ゲームを期待していた観客からはブーイングが起きてしまった。
もしマレーに勝利していた場合、決勝では第1シードで世界ランク1位の
N・ジョコビッチ(セルビア)と対戦することになっていた。
シティ・オープンで5試合、ロジャーズ・カップで4試合、合計9試合をこなした錦織の身体はピークを迎え力尽きた。マレー戦で、最後ボールを追いかけなかったのが象徴的だった。
ナダルを倒したとはいえ、BIG4に近づくには更なるフィジカルの強化、そしてグランドスラムタイトル獲得が必達になってくる。
今回のマレー戦で不安を残す形となったが、昨年準優勝を飾った全米オープンに期待が寄せられる。今季最後のグランドスラムである全米オープンは31日から開幕する。
>>ロジャーズ・カップ対戦表<<
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