女子テニスのマイアミ・オープン女子(アメリカ/マイアミ、ハード、賞金総額5,381,235ドル、優勝賞金900,400ドル)は4日、シングルス決勝が行われ、第1シードの
S・ウィリアムズ(アメリカ)が第12シードの
C・スアレス・ナバロ(スペイン)を6-2, 6-0で下し、大会8度目の優勝を飾った。
試合後に行われた表彰式では、女子テニス界のレジェンドである
M・ナブラチロワ(アメリカ)も姿を現し、セリーナはナブラチロワと会話を交わしながらカメラに笑顔を見せていた。
セリーナはこれまでも色んな大会で優勝を飾ってきたが、今回の8度目の優勝が同一大会での自身最多優勝となった。8回以上の優勝を同一大会で飾ったのは、女子テニス史上4人目の快挙となった。史上最多優勝は、ナブラチロワがシカゴ大会で記録した12度の優勝だった。
「年齢を重ねるほど、プレーが良くなっていると信じているの。」と33歳のセリーナ。そしてナブラチロワの最多優勝の12度を越えられるかと聞かれると顔をゆがめながら「それは越えられないわ。一体、いくつになるの?12度なんて越えられないから、パーティーでもしましょう。」と冗談交じりに答えていた。
表彰式でトロフィーのプレゼンターを務めたナブラチロワは、1月に行われた全豪オープンの表彰式でもグランドスラムでの19度目の優勝を飾ったセリーナへトロフィーを授与していた。今回の優勝によりセリーナは決勝戦での成績を12試合連続勝利としていた。
セリーナはこれで、今季の成績を18勝0敗とした。セリーナは今大会直前に行われたBNPパリバ・オープン女子大会で準決勝進出を果たすも、膝の怪我を理由に試合開始前に棄権を申し込んでいた。そして迎えた今大会では、思うようなプレーが出来ず、イライラから何度もラケットをコートに叩き付け、観客から野次られる場面もあった。
しかし、好天に恵まれた決勝戦ではセリーナがスタジアムに入場すると盛大な声援が沸き起こり、最初のポイントからウィナーを取るセリーナのプレーに満員の観客も歓喜に包まれた。
「8度目の優勝を自分のテニス人生に加えられてとても気分が良いわ。特に大会の序盤では、優勝なんか出来ないと思っていた。本当に不思議な気分。」とセリーナは本音を明かしていた。
スアレス・ナバロは出だしから苦戦を強いられるも、自身の最初の2度のサービスゲームをキープした。しかしそこからセリーナが一気にギアを上げ猛攻を見せて第1セットを先取した。
最終的に10ゲームを連取したセリーナは、第2セットでは30ポイント中25ポイントを獲得し、緩急を付けるプレーでスアレス・ナバロの3本に対して29本ものウィナーを記録する圧倒ぶりだった。
パワープレーで知られるセリーナだが、この日の試合ではパワーだけに頼らず、最初のポイントからバックハンドのスライスを使いネットへつめボレーを決めるなど、技術の高さも披露していた。
今大会、ここまでサービスがしっくり来なかったセリーナは、この日は速さにこだわらず自身のサービスに集中していた。
「今日はとっさにそうしていたの。ファーストサービスではスピードを落として確率を高めたの。この大会では、思うようにサービスが打てていなかったから。色々考えずにやるのは健康に良いわね。」とセリーナは、ジョークを飛ばす余裕も見せていた。
これで今大会の成績を73勝7敗としたセリーナ。彼女は大会会場から1時間半ほどのところにあるパームビーチ・ガーデンに住んでいるため、この大会を地元の大会だとも感じていた。これまで出場した15回中、8回の優勝の度に自宅へトロフィーを持ち帰っていた。セリーナが最初に優勝したのは2002年だった。
26歳のスアレス・ナバロはこれが自身のテニス人生で最大の決勝戦だった。そして来週発表の世界ランクでは初のトップ10入りを決めた。そんなスアレス・ナバロだが、セリーナとの対戦はこれで0勝5敗とするばかりか、その5度の対戦でもトータル12ゲームしか奪えていない。
「セリーナと戦う時は、彼女が最高の選手だと分かっているの。彼女のプレーから本来の力が出せなくなってしまうの。」とスアレス・ナバロは、セリーナへの苦手意識も覗かせていた。
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