先週行われたバークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ(イギリス/ ロンドン、賞金総額650万ドル)で年齢を感じさせない好調なプレーを披露していた
R・フェデラー(スイス)だったが、準決勝の
S・ワウリンカ(スイス)との試合で痛めた腰のために、今週末のデビスカップ決勝戦の出場が危ぶまれている。
33歳のフェデラーは、同じくスイス代表として戦うワウリンカに対して3時間近い接戦を強いられ腰を負傷。そのため、
N・ジョコビッチ(セルビア)との決勝戦を試合直前に棄権するにまで至った。
《フェデラー棄権の記事はこちら》17度のグランドスラム優勝を誇るフェデラーは、長いテニス人生で戦わずして試合を棄権したのはこれがわずか3度目の事で、それほど状態が悪かった。
フェデラーは月曜日に、自家用ジェット機でフランス北部のリールへ飛んだ。金曜日にはシングルス2試合が行われ、土曜日にはダブルスが、そして日曜日にはリバース・シングルス2試合の計5試合が行われる。そしてその全てが5セットマッチで戦われる。
「昨日は明らかに練習をするには十分ではなかった。もっと早い回復を期待してはいるものの、もちろんかなりの努力もしている。そして回復の方向へ向かっている。土曜日の夜や日曜日、そして月曜日よりは多少なりとも良くはなっている。少なからず改善されている。今は希望を持って状態を見ている。」とフェデラーは火曜日にメディアへ向けて語っていた。
2013年にフェデラーは、腰に問題を抱えて不本意なシーズンを送っていたが、今季は大きな怪我もなく、より攻撃的なプレーで5大会で優勝を飾るなど、再びかつてのプレーを取り戻していた。
数多くの功績を達成してきたフェデラーだが、未だデビスカップでのタイトルを手にしておらず、デビスカップに重きを置いて来なかった。しかしタイトル獲得を目指してフェデラーは、全米オープンで準決勝敗退後すぐにスイス・チームに合流し、その翌週末に行われたイタリアとの準決勝に出場していた。
ワウリンカをエースとする事で優勝の行方が混沌とする中でも、優勝するチャンスはあるとワウリンカへ言い聞かせている。
1999年にフェデラーが代表デビューして以来、ワールドグループでの試合で、フェデラー抜きでは10試合中1試合でしか勝利を飾れてはいないのが現実。
もしフェデラーの腰の状態が間に合わなかった場合、スイス監督のスヴリン・ルッチ氏はフェデラーに代わって、世界ランク212位の
M・キウディネッリ(スイス)か同ランク508位のM・ランマー(スイス)をシングルスで起用するとみられる。
「とにかくしばらくの間は、フェデラーが金曜日にシングルスに出場しないとは考えないようにしている。」と語るのはフランス監督の
A・クレマン(フランス)氏。「ここまで10日間も決勝戦へ向けて準備をしてきた。フェデラーとワウリンカのいるスイス・チームと対戦する事に対して、十分な準備をしている。それにフェデラーのチームと対戦するのではない。スイス・チームと対戦するんだ。他にも良い選手だっているからね。」と気を引きしめていた。
エースの欠場問題を抱えるスイスとは裏腹に、フランス・チームは万全な状態にある。そのチームには
JW・ツォンガ(フランス)、
G・モンフィス(フランス)、
J・ベネトー(フランス)、そして
R・ガスケ(フランス)という最強の布陣で合宿をボルドーで行ってから、リール入りをしている。そして
G・シモン(フランス)を控え選手としても準備しているとクレマン氏は加えていた。
準決勝のチェコ共和国との試合では、ツォンガとガスケがシングルスで勝利を飾り、その両者がペアを組んでダブルスでも勝利を上げ、フランスの決勝進出を決めていた。そしてそんなツォンガやガスケも、スイス・チームの苦悩に影響される事はないと語っている。
10度目の優勝を目指すフランス・チーム。エースのツォンガは「今週末で一番大切な事は、我々自身そしてこのチームに対して集中し続ける事。最高のプレーを見せる事が必要なんだ。我々のテニスを披露する事。それ以外は正直、問題ではない。」と、意気込みを述べていた。
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