女子テニスツアーの最終戦、BNPパリバ・WTAファイナルズ(シンガポール/ハード、賞金総額650万ドル)は23日、レッドグループのラウンドロビンが行われ、第1シードの
S・ウィリアムズ(アメリカ)が第5シードの
E・ブシャール(カナダ)を6-1, 6-1で下し、決勝トーナメント進出へ望みを繋いだ。
前日に行われた試合でセリーナは、第4シードの
S・ハレプ(ルーマニア)にわずか2ゲームしか奪えない屈辱的な敗戦を喫していたが、この日の彼女は本来のプレーを取り戻し、会心の勝利だった。
昨日の敗戦の後セリーナは、コーチであるパトリック・モラトグルー氏と何時間もの話し合いを行ったと言う。
モラトグルー氏から叱咤激励を受けたセリーナは「かなり落ち込んでいたの。彼(モラトグルー氏)の思いを受け入れる事が出来た。ちょっとおかしく聞こえるかも知れないけど、これまで数多くの優勝をしてきたけど、昨日はこれもあれも出来ないんじゃないかって感じてしまうほどだった。」と、敗戦後の落ち込みぶりを語った。
そして「でも彼と話しているうちに、もしかしたらまた戦えるんじゃないかって思えるようになり始めたの。もちろん出来るかどうかは分からなかったけどね。彼じゃなかったら、今日の試合には勝てなかったと確信してるわ。」と、モラトグルー氏の存在の大きさを実感していた。
これでラウンドロビンの成績を2勝1敗としたセリーナは、各グループ上位2選手しか進めない決勝トーナメントへの可能性を残した。
それは金曜日に行われる残りの試合の結果に委ねられる。ハレプが第7シードの
A・イバノビッチ(セルビア)にストレートで敗れると、セリーナの準決勝進出はなくなる。ハレプは既に準決勝進出を決めている。
「もしこの大会で優勝したいと思ったり、決勝トーナメント進出を果たしたいと思ったのなら、昨日の試合に勝つべきだったし、じゃなくてももっと良いプレーをするべきだった。決勝トーナメントへ進めなかったら悲しいけど、そうなっても今年は自分の年じゃなかったと言うだけ。砕け散って死ぬわけじゃない。」と冷静に状況を受け止めていた。
そして、ロシア・テニス協会会長であるシャミール・タルピシェフ氏から書面で謝罪の言葉をもらっていた事も明かしたセリーナ。
タルピシェフ氏は先週、ロシアのテレビ番組に出演した際、セリーナと姉の
V・ウィリアムズ(アメリカ)を“ウィリアムズ・ブラザーズ”と表現したり、“見ていると怖い”などとする発言をしており、その発言が侮辱にあたるとして、女子プロテニス協会のWTAから罰金とWTAツアーへの一年間の関与禁止処分を下されていた。
「彼(タルピシェフ氏)から、私と姉に対して謝罪の言葉をもらったわ。書面でね。直接話をした訳ではないわ。」と、その騒動の終息へ向かう兆しを見せていた。
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