男子テニスツアーの上海マスターズ(中国/上海、ハード、賞金総額約652万ドル/優勝賞金約80万ドル)は9日、シングルス3回戦が行われ、第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)が
M・ククシュキン(カザフスタン)に6-3, 4-6, 6-4の辛勝で下し、3連覇へ前進した。
今大会、シード勢が敗れる波乱に見舞われた中、この日の試合ではジョコビッチもその流れに巻き込まれるのではと思わせるような展開だった。
この日の勝利でジョコビッチは中国での連勝を27へ伸ばしたものの、ククシュキンが放つパワフルなフォアハンドはライン際を捕らえ、素早いコートカバリングでのディフェンスであらゆるショットを返球される中、かなりの苦戦を強いられた。
第2セット、ゲームカウント4ー5からのジョコビッチのサービスゲームでは、サービスを打つ前に深呼吸をしていたジョコビッチに対し主審はタイム・バイオレーションを取り、ジョコビッチが主審へ詰め寄るシーンも見られた。
「あの時の前の(激しいラリーの)ポイントを見たかい?皆もそんなポイントを楽しんでいるはずさ。」と、観客を沸かせるような素晴らしいプレーの後での主審の判断に、ジョコビッチは納得が行かない様子だった。
そのサービスゲームをブレークされ、そのセットを失ったジョコビッチは、勝敗を決める第3セットでしっかり気持ちを切り替え、序盤にククシュキンからブレークを奪うとその後はククシュキンへブレークバックを許さず2時間06分で準々決勝へ駒を進めた。
ジョコビッチは「彼(ククシュキン)は、ファーストサービスのコースを上手く隠していたし、彼が放つフォアハンドもそうだった。確実に今日の試合は、ここ中国でこれまで戦った中でもっともタフな試合だった。失う物はない気持ちでぶつかってくる選手と対戦する時は、ともかく勝利を飾る事が大切なんだ。」とククシュキンのプレーを称賛しながら勝利に安堵していた。
ロシア生まれのククシュキンは、これまでトップ10選手との対戦成績は1勝15敗と大きく負け越しているが、この日はジョコビッチの27本に対して35本のウィナーを記録するプレーを見せたが、一歩及ばなかった。
ジョコビッチは準決勝進出を懸けて第5シードの
D・フェレール(スペイン)と準々決勝を行う。フェレールはこの日、第11シードの
A・マレー(英国)を2-6, 6-1, 6-2で下し、男子ツアー最終戦への望みを繋いだ。
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