突然の引退表明から2日経った21日、2度のグランドスラム優勝を果たした
N・リー(中国)は記者会見に現れると、終始涙に暮れながら自身の口から引退を決意した経緯を語った。
自身のフェースブックで家族や友人、ファンへ向けて引退への気持ちを綴ったリーは、この日の会見で涙を見せるのに時間はかからなかった。そして4度目の膝の手術を受けて復帰を目指したが両膝がそれを許さなかった事を明かした。
「今が引退するにはちょうど良い時期だと感じています。引退する事に対して残念な気持ちや後悔などはありません。この決断を下した時、自分自身にこう問いかけたのです。“もし今引退したら後悔する?”と。私の心はこう答えました。“そんなことはない。だって最高の事を成し遂げたんだから。”」と、会場を埋め尽くされた北京にあるナショナル・テニス・センターでリーは今の気持ちを語り始めた。
「自分のテニス人生にはとても満足しています。」と語る32歳のリーは、2011年の全仏オープンを制し、アジア人女性として初めてグランドスラムの栄冠を手にしていた。そして今年1月に行われた全豪オープンでは、3度目の決勝の舞台で同大会で初めてタイトルを獲得すると同時に2度目のグランドスラム優勝を飾っていた。
その優勝の後彼女は、わずか7大会にしか出場しておらず、最後の公式戦となったのはウィンブルドンの3回戦での敗戦だった。そして全米オープンを含む3大会を膝の怪我を理由に欠場を表明していたが、その後コートに戻る事はなかった。
「7月の膝の手術の後、必死に復帰へ向けて頑張りました。私の故郷で今年初めて開催されるプレミア大会の武漢オープンに何とか出場出来るようにとね。しかしながら今回が4度目の大きな手術で、年齢の事もありそれはかなり難しい事でした。」
「この引退の決断を下す事は、とても辛いものでした。グランドスラムで優勝へ向けて戦っていた事よりも更に難しい物でした。でも今がさよならを言うには最適な時だと思ったのです。なぜなら私の体がもう世界のトップレベルでの試合を行う事を許してくれなかったからです。」
リーのテニス人生は、祖国中国に大きな影響を与える記録に満ちていた。中国人として初めてWTAツアー優勝を飾り、初めて世界のトップ20入りを果たし、そしてアジア人として初めてグランドスラムでのタイトル獲得に成功していた。
女子ツアーを統括するWTAはリーの事を、テニス界そして中国大陸に取っての先駆者だと表現しているが、リー自身は彼女が成し遂げた事は、中国でのテニス界のスタートにすぎず、更なる発展があるはずだと願っている。
「今私がやりたい事は、自身のテニス・アカデミーを開く計画を立てる事、そして中国のテニス界を広げるための基盤作りをしたいのです。ピラミッドのように、しっかりした土台さえあれば、中国のテニス界には更なる未来が開けると信じています。」とリーは、これからは祖国中国のテニス界のために活動して行きたい意向を表していた。
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